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第25章 収束への旅路


一連の私に関するデータを見せてもらったところ、流石の柳沢も、過激なものは手渡していなかったということを確認できた。
まあ、それはそうか。

なんて、自分の死ぬほどに他人に見られたくはない過去を掘り返されているはずなのに、それさえもが考えられなかった。

「!蝶…!…すごい、顔色悪い…けど?」

『!!…大したこと、ないよ…ちょっと体がだるいだけ』

「…環境の問題、かな…?」

『大丈夫…はい、データはもらってきたから』

私が呼ばれた理由は二つ。
一つは、先程の能力に関して確認作業を行うため。

もう一つは、データをコピーする時に、自身のデータを他の子に見せなくていいよう配慮してもらえたためである。

『…二人、は…もう少しゆっくりしてから帰って…?私は…ちょっと、先に帰るね?…お世話になりました、本当に…ありがとうございました。機会があったらまた…』

ヘラりと笑って見せて、宇宙飛行士の方々に頭を下げる。

嬉しいことを返してくれていたような気がするが、今は生憎それどころじゃあない。

確かめなければならないのだ…彼と再会して聞いた、あの話を。
ちゃんと、知らなきゃいけない。

だって、それは紛れもない事実だったから。
あの術は、この世界には存在し得ないはずのものなのだから。

殺せんせーにはカルマから連絡を入れてもらうよう頼んでから、扉を作って向かった先はたった一つ。

「!蝶?…えらく早かったじゃねえか、どう……どうした?…顔色が…」

『……中也、さん…いつ?私と…初めて会ったの…どこで会った?どうして出会った…?何、があった…!?』

「え…、は?その話はもう『いい、から…っ…教えて…ッ…?私…知らない、の…知ら、ないのっ!!…な、のに…事実だった!!本当のことだった!!!なのに私っ…』わかった、わかったから蝶!!」

抱き寄せられて、少し間をあけてから落ち着け、と撫でられる。

教えてよ…誰か…
何なの、あの証拠は…何だったの、あの記録は。

私、何にも分からない…

「…詳細に教えた方がいいか?これは」

『!!…っ、…九年前の、中也の話…?』

「それもだが…もっと、ずっとずっと前の話も」

中也の、ずっと前の話。
彼の中にある、思い出の話。

おかしいな…彼が前だなんてことを口にするのは。

いや、でもそうか…彼は元々、私と同じだったから____
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