第24章 繋がること
太宰達と分かれて任務に赴き、とっとと任務も仕事も終わらせてから眠りにつく。
そしてまた朝を迎えるわけなのだが。
「…またか」
決していいとは言えない寝起き。
二代目死神の一件あたりから、たまに見るようになった夢。
俺の両親と思わしき人間が、呼吸を止めて転がっている夢。
別に、特に情があるわけでもなければ思い出なんてものがあるわけでもない。
ただそこに、転がっているだけ。
別になんということはないが、決して気分がいいものでないことだけは確か。
だから俺の朝の癒しといったら…
『んにゃ、…中也さん…♪』
寝ながらも俺に引っ付いてきて幸せそうににやけてやがるこの物好きだ。
またさん付けになってるし。
それもそれで好きだけれども。
俺の異能を受け入れ、身体を貫かれてなお、こんな俺を慕っている彼女。
俺にばかり貰っていると言いはするが、俺からすれば全くの逆。
「ったく…どれだけ可愛がっても足りねぇよ…」
一つ、口付けると、一度ぎゅうっと目をつぶってから薄くゆっくり開かれる瞼。
『…中也さん…おはよ…?』
「おう、おはよ。…今日はまた随分と眠たそうだな?」
『ん~……あと二時間…♡』
「お前それで五時間寝るからダメ」
『中也さぁん…えへへ…♡』
聞いちゃいない。
可愛らしいことこの上ないのはいいのだが。
「…二時間後に起きなかったら今日一日キス禁止だからな」
『ふぁ…い…』
多分まともに聞こえてない。
まあいい、今日は昼まで出勤予定でもないし…たまにはこんな日があってもいいか。
なんてとことん甘くなってしまうのだが。
恐らく…いや、ほぼ間違いなく蝶はあと二時間じゃあ目を覚まさない。
声をかけたところで起きやしない。
今日はどう可愛がってやろうか…なんて考えて。
しかし、それでも一日キス無しでは己の身が持ちそうにないため、彼女が眠っているうちにまた好きなだけキスをするのだが。
「あ~~~…クソ、……飼い殺してぇ…」
行き過ぎた表現ではあるが、それくらいに俺の愛情は重い。
そして恐らく、蝶もそれくらいしてくれてもいい…むしろしてくれと懇願する。
というより、されたことさえある。
他の奴にこんなことしてたら相手を殺してやるだなんて…お前を殺すことは俺にはもうできなくて。
照れ隠しまで似たものだ。
それとも、元からだったのか。