第24章 繋がること
「蝶?ナカすごい締め付けてくるけど…痛くないか?」
指一本でも既に動かしにくい程には締めてくる。
『ぁ…ッ、♡…あ…、ぅ…中也さ…っあ…♡』
だがなんということだろう、声を聞く余裕もないらしい。
しかし彼女は身体でもう覚えてしまってもいるようだ、ナカに挿れられたのが紛れもない俺の指であるということを。
「…澪?なんでこんなに濡らしてんだよ、ここ」
『!!!!♡…っぁ…そ、れや…だ…っ…ずる…「今日の澪は素直なんだ、言えるよな?」ぁ…っ♡…中也さん、の…中也さんのこと、いっぱいいっぱい考えて…ッ』
ピタリと、俺の口の勢いが止む。
待て、今なんと言った?
俺の想像していたものとは全く違った言葉が聞こえたぞ?
いつもなら、俺がずっとキスをするからだとか、俺がこんな風にするからだとか言っていたのが…俺のことを考えて…?
前にもあったぞこんなこと…
「へえ、いっぱい考えて…考えただけでこんなになるのか、澪は?」
『あ…ぁ…っ…♡…い、…ぁ…いけ、ないこと…いっぱ、い…考えてまし、た…ッ』
完全に認めきった。
あの蝶がだ。
何度でも言おう、あの蝶が、だ。
「いつから?」
『!?…い、つって…っ……い、つも…ちゅう、したり……寝たり、する時…とか…』
言えば言うほど、ナカがひくつく。
そして蜜を溢れさせてくる。
だが待て、今驚愕の事実を知ったぞ俺は。
そんな素振り見せたことなんか、今まで一度も…いや、そうか、それが蝶か。
「……まぁた恥ずかしくて我慢してたの?お前…それで昨日からスキンシップまで増してたのか」
拝啓過去の俺。
今俺最高に可愛い嫁を抱きしめてます、はい。
なんならこの瞬間をカメラに納めるために何か用意しててやがれ下さい。
冷静になんてなれるわけがない。
蝶がこれを口にするのがどれほど愛らしい瞬間なことか。
『さ、わろうとしても…一人、じゃ怖、くて…っ……中也さん…いな、きゃ…』
「?…触ろうとって……いや、怖いってお前…それくらいしてる奴なんかザラに…」
抑えた手に、また雫が流れる。
暖かくて、優しい雫。
離してみると、耳まで真っ赤にした彼女が目を泣き腫らしていて、それからまた俺が口にしたように言葉にして紡いできたのだ。
『ち、よは…澪、も………中也さん、の…だから。…中也さん、じゃなきゃいけないの…ダメ、なの…』