第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
宣言通りにアイスを買って帰り、お弁当に入れたデザートの残りに添えて美味しくいただいた。
そしてもう遅かったという事で急いで色々済ませて就寝し、次の朝が来る。
『中也さん、今日私ちょっと帰り遅くなると思います』
「何かあんのか?」
『まあ、学校の方でちょっとだけ…何かあったらまた連絡しますから』
「そうか。まあ、危ねえ事じゃないんならいい」
放課後、多分そろそろ殺せんせーが動く。
だから先に、顔を合わせている時に中也さんに伝えた。
探偵社に寄ってからのフリーランニング三日目。
今日も中也さんに髪を結んでもらった蝶はテンションMAXです!
と、そこまで考えて深く思った。
『もっと頑張ろうよ私いいいいい!!!!』
見よこの女子力の無さを!
何で中也さんそんなに何でも私のお世話をしちゃうかなあ!
「ん!?……し、白石さんか」
今日も烏間先生に見られていることに気付かずに、嘆き声を上げて木々を飛び渡って校舎前に着地。
どうやら今日は一番乗りなようだ。
教室に入ってみて校舎の隅々まで探索する。
能力を人に見せないようにするため、というのもあるのだが、校舎に何か仕掛けられていないかを確認するためにも毎朝早く来ているのだ。
何かあったら大変だからね。
校舎を見終わりまだ時間がある事を確認して、体力作りのフリーランニングをもう一度する事にし、山へと向かった。
こんなにいい環境横浜じゃあ無いしね。
そして再び己の女子力の無さに嘆くのである。
『……ああもう、中也さんの馬鹿!でも私はもっと馬鹿!加えて立原はもっともっと馬鹿あああ!!』
ここに立原を巻き込んだのは、勿論八つ当たりだ。
私が一番馬鹿だなんて嫌だからね、ごめんね立原。
そして今回は授業の始まる前まで木の上を走り続けていたせいか、遂にクラスの子に見つかる羽目になった。
「え、ちょっ、蝶ちゃん何やってんの!?」
『うえ!?その声はカエデちゃっ……うわぁ!!?危なっ!!』
思わぬところで声をかけられて木から足を滑らせたが、木の幹を蹴って体制を整え、地面に着地した。
「大丈夫!?…朝からなんかすっごい叫び声が聞こえるなあと思ったら、白石さんだったんだ」
着地した私に寄ってくる潮田君とカエデちゃん。
他にも何人かの子がそんな私の様子を見ていた。