第24章 繋がること
『やりたい事だけ…?』
「…許可は俺が取る。多分誰に聞いても納得はされるだろうしな…学校に行かずに俺といたいなら、それでいい。任務にも行かなくていいし、仕事もしなくていい…したいことがあるなら、なんでも俺が叶えてやる」
蝶の頭を撫でながらそう言えば、彼女の綺麗な目が驚いたように見開かれた。
『…そんなこと…そ、んな……』
「折角今素直になれてんだ…今みたいな機会でもなきゃお前、そんなことしてくれねぇだろ」
『…蝶、ダメな子になっちゃう』
「なっていい、俺が許す……他に誰かの許可が必要か?」
分かっている、この少女の中では全てが俺基準であることくらい。
俺が許してしまえば…俺さえいれば、それでもうどうとでも生きていけることくらい。
こういう聞き方をすれば、意地を張っている時でさえ素直にうなずいてしまうってことくらい。
首を横に振る彼女の髪を撫で、それから安心させるように言う。
「お前はもう自由なんだから…自分のために生きて、自分のためにしたいことをすればいい」
『っ、…ん…』
「…ったく、なんで泣いちまうかなぁ……今日はどうしてたい?」
『ぁ…中也さん、の……中也さんと、ご飯また作りたい』
発された言葉に目を丸くする。
食事を一緒に作る…?
確かに久しぶりにそれをしたとはいえ、そんなにそれがしたいのか?
「もちろん構わねぇけど…一緒に、か?俺が作ったのが食べたいんじゃなくて?」
『…お手伝いしてるみたいで、あったかくなった。…中也さんの、お手伝いしたい』
それとなく聞いた理由。
何故か、不思議と自分の胸にも何かがこみ上げそうになる。
何故か、だなんて今更か…理由なんてものは単純だ。
「…そ、…うか…はは、助けてくれてんのに甘えられてるみたいで嬉しいわ」
『!嬉し…?』
「当たり前だろ~?こちとらお前の親でもあるんだからよ」
うりうり、と撫で回してやるも反論もない。
どころか心底嬉しさを噛み締めているような表情さえしてくれてしまう。
親冥利に尽きるというか、なんというか。
ここまでこういう満たされ方をしたのは初めてで…恐らく、蝶もそれを望んでいて。
こんなにも、一人の人間に認められることが心底嬉しいだなんて。
こんなにも…大切なものだっただなんて、知らなかった。
家族を愛するということが。
家族に愛されるということが。