第24章 繋がること
「俺にも、言えない?…言ってもいいんだよ」
『ッ、か、るまく「動揺して呼び方戻ってる」!!…だ、って…?』
「他には言わない…絶対言わない。皆に知られて、それで意見が決まるかもしれないって心配してるんなら……俺は誰にも言わないよ」
言ってほしい、教えて欲しい…なんて口では言っているのにもう何か覚悟が決まってる。
そんな声。
『あ…で、も…』
「蝶の考えくらいそろそろ分かるよ俺も…甘えなよ、こういう時は。大人になっちゃだめなところだよ、ここは」
『!……____た、い…』
「…うん、言うと思った。…よく言えました」
額をくっつけて、ふっと何か肩の荷がおりたような様子の彼は、ようやく口元を微笑ませてくれた。
すぐに私から離れて渚君の方へと向き直り、また同じように彼は言う。
「言っとくけど、蝶に何かさせる意見でも挙がるようなら…渚君に限らず俺がまとめて片っ端から相手するから」
私に協力させれば解決できるって、多分彼もわかってる。
それでも絶対に、手は出させない。
そんなところまで、私のことを考えてくれている。
彼に気圧されてか、どこか場の空気が更に固まってしまった気がする。
『…あ、の……』
「蝶が責任感じなくていい。俺らだって自分でちゃんとしないとなんだから」
「その通り!!!いやあ、実に成長しましたねぇカルマ君…一体誰の影響でしょう??」
『ふえっ、…!?』
なでなでと優しく頭に触れる触手。
触れられていて、落ち着く…そうか、私から生まれたものだから、こんなにも心地いいんだ。
「折角のこの暗殺教室…クラスの意見も、コレで決めてはいかがでしょう」
今一番の話の渦中の人が、仲裁案を提示する。
持っているのは赤と青のペイント武器。
ルールは単純に、赤と青…それぞれ、殺せんせーを殺したいか殺したくないかのチームに別れて、サバイバル形式の暗殺を行うというもの。
ただし、本物の殺し合いをするわけにはいかないため、ペイントを付けられ、致命傷と判断されればそれがゲームアウトのサイン。
「…いいよ、受けて立とうじゃんか」
「…」
渚君が青…そして、カルマが赤のナイフをそれぞれ取る。
みんな次々に、自分の意思を示していく。
「……あなたは?」
『…出るべきじゃ、ありません』
「そうですか…あなたらしい」