第24章 繋がること
「え?何言ってるのさ蝶ちゃん、君はお休みに決まっているだろう?ただでさえ毎日学校に通ってもらってる上に任務までお願いすることがあるのに」
「蝶ちゃんってそういうところ頭悪いよねぇ!だいたい、君には冬休みをちゃんと過ごすっていう義務があるんだよ?分かる?仕事、冬休みが君の仕事なの」
ねっ、社長?
なんて可愛らしく首を傾げる二十二歳と二十六歳。
それに反応して頷く社長。
ああ、もうだめだこの会社。
『い、いや…でも、学校生活の中でも今まで任務とかあったじゃないですか…?』
「よっぽど人手が足りないとか蝶ちゃんの手を借りたいときでしょう?それ」
「そうならない限りは君の仕事は学校生活!はい、冬休みちゃんとしなさい!」
「社長命令だ。……たまにお菓子を食べに来なさい」
『お菓…、お、お菓子よりもお仕事下さ「「「絶対ダメ」」」…』
お昼を食べてから探偵社の事務所に顔を出せば、真っ先に乱歩さんによって私の話そうとしていた内容が暴かれた。
そこまでは想定内だったのだが、社長がこうなるのは想定外にも程がある。
これじゃあまるでどこかのマフィアの首領じゃないか、なんなのお菓子食べに来なさいって、同じこと言ってるこの人。
『なんでそんなにダメって…きょ、鏡花ちゃんにはお仕事あるんでしょう?』
「あの子は今新人期間だから、軽い仕事くらいならね?」
『じゃあ私の冬休みを鏡花ちゃんに…』
「それならば二人とも休みにしよう」
あっ、だめだったこの会社、手遅れだった。
『…もういいですもん。……なんで蝶にはお仕事くれないの皆して』
思わず頬を膨らませてそっぽを向く。
拗ねたっていいだろう、ここまで否定されてしまったら。
サボろうとしてるならまだしもその逆なのに。
「…蝶ちゃん、同じことを素敵帽子君にも言っただろう?」
『!ま、まあ…さっき』
「僕達が君に仕事をさせたくない理由は、そこと同じなんだよ…学校生活を、ちゃんと送ってほしいんだ」
『で、も…学校に行けてるのだって元々は探偵社の皆のおかげで…』
「まっ、そもそも君が日頃から無茶なことするからねえ?中学生らしく羽を伸ばさせてあげたいんだよ…今までも計り知れないほどに頑張ってきたんだから」
頭に乗せられた乱歩さんの手が暖かかったからか、何故だか自然に胸の奥へとその言葉はとけこんでいった。