第24章 繋がること
どことなく活気のない、二学期の終わり。
やってのけてきたことはいっぱいあったはずなのに、どうもやはり後味が悪い。
…私のせいというのも、恐らくある。
殺せんせーを殺してしまうと、私がどう思ってしまうかを考える子は大勢いるはずだ。
昨日、飛び出していってしまったから…私が取り乱してしまうくらいには、ショックを受けた出来事だと分かっているから。
だから、最後には殺す覚悟であると断言した。
…嘘はない。
私の仕事内容は一つ。
学校に通いながら、生徒達の護衛を務めること。
そして、社長命令でもう一つ…有意義な学校生活をきちんと送ること。
私だって、この暗殺教室の生徒の一人だと胸を張ってもいいはずだ。
政府に依頼されたわけでも、社長から命令されたわけでもないけれど…それでも昨日、あの人が死んでも独りになってしまうわけではないと気が付いたから。
____雪村さんがあっちにいるって、分かったから。
『…ただいま』
「!…こっちに帰ってくるの久しぶりだな?どうしたよ…早く俺に会いたくなった?」
『うん…冬休みになったから、暫くは長い時間一緒にいられるようになるよ』
「ははっ、そんな事考えてたのか?ったく…紅茶飲むか?」
一つ頷いたら、中也は紅茶を淹れに行く。
普段なら、学校終わりはほとんど家に直接帰る。
でも、今日はお昼で終わったから。
『久しぶりにお仕事手伝おうかなって』
「お前今探偵社員だから手伝い禁止」
『…ケチ』
「お前が仕事したら首領にバレる上にすぐやることなくなっちまうんだよ…な?」
『中也のいじわる』
「つか、お前未成年だから」
『ちっちゃい頃の方が働いてましたが何か?』
「言い返す言葉もねえわ」
ここまで言わせても、それでも中也は譲らない。
『早く終われば一緒にいられるのに』
「終わらなくても一緒にいてくれるだろうから、ゆっくりさせてやりてえんです」
『……何それ。歳上なめてる?』
「年下なんだから甘やかされとけっての」
『年上のあなたに早くかまって欲しいって分かりませんか』
「歳上のあなたに構いながらいちゃつきたいって分かりませんか?」
『………か、えす…言葉……が、ございま…せん』
負けた。
いや、ずるい…そういう言い方は。
「俺の勝ち…横に椅子持ってこいよ、気が済んだ上に鬱陶しくなるくらいに構うから」