第24章 繋がること
クラスの皆の雰囲気はどこか重たくて、カエデちゃんは病院で身体への触手の影響等を調べるために検査入院。
殺せんせーの暗殺に対して意欲的な人も、いない。
あまりにも重たすぎる先生の過去に、皆どうすればいいのか分からなくなってる…どうしたいのか、分からなくなってる。
『…カルマは?仕掛けに行かないの?』
「蝶こそ、仕掛けに行かないわけ?」
『私はまだ殺さないって決めてるから。…私が直接手を下すなら、それはこの地球が滅びかけたその時の話になる』
「…!もしかして蝶、最初からそのつもりで…!?」
『ううん、私の仕事内容はあくまでも皆の護衛だから………地球滅亡の阻止は、皆の防衛と同意でしょう?それだけ』
多分、そうじゃない。
本来ならば、もうとっくにあの先生を殺してしまっているというのが、政府としては理想的な状態のはず。
けれど、探偵社の誰もが…烏間先生やイリーナ先生までもが、私に、それをするかは自分の意思で決めろと言った。
だから、私は何度でも思うし、何度どうして殺さないのかを聞かれても同じように答えを出す。
『それに、今殺せんせーのこと一人で殺しちゃったらさ?…後味悪すぎるよ』
皆、ここまで私なんかよりもよっぽど努力して、様々な技術を身につけてきている。
ただの平凡な子供が、一年も経たないうちにここまでに成長しているのだ。
『頑張って他の子達が努力して、人間的にも成長してきてるのに、それを活かさない暗殺は絶対に私は反対なの。やるなら全員で殺したい…まあ、__』
____全員揃って中途半端な気持ちと覚悟であの人を殺そうとするくらいなら、私がその前にとっとと終わらせてあげるけど
少し言いすぎただろうか。
しかし、大事なことだ…別に今すぐ決めろと急かしているわけではない。
「…何、ほんっと素直じゃないねえ?悪役買ってでなくたっていいんだよ?最終手段はあるから覚悟が決まるまで大いに悩めってちゃんと言えばいいのに」
「お前本当、そんな性格してるよな。人間できすぎてて損しすぎてる」
「蝶ちゃん本当素直じゃない。中原さんいたら素直なのに」
『ちょっと倉橋ちゃん、多分それ関係ない』
悪役なんて買ってでてないつもりなんだけどな。
「いや、まあでも、それならよく考えさせてもらうわ!…正直、まだ気持ちに整理つかないからさ」
「…俺も」
「私も……」