第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
「は、はいすんませんっ…て、立原?お前俺の名前を 覚えて」
『こっち向くの禁止だってば!!』
「あああすんませんっ!!」
中也さんなんてもう元の威厳がどこにも見当らなくなっている。
立原に関していえば、第一印象があんなのだったから分からなかったのだろうか、中々女性というものには勝てない性分なのかもしれない。
『ねえ広津さん、今のは私悪くないよね?』
「さ、差し出がましい意見かとは思いますが……やはり幹部の方に少し問題があるかと」
「否定出来ねえ自分が悔しい…」
「じゃあなんで俺まで正座なんだよ…」
『はいそこ文句言わない!』
中也さんと立原を向かいの寝台の上に正座させ、一定の距離を保つ。
『中也さんはちゃんとこの二人を見習って下さい、じゃないと私、いつか中也さんのせいで心臓止まっちゃうかもしれません』
「ブッ、!!?お前っ、なんて事を言いやがっ」
『いいですね?』
「は、はい…」
本当に、中也さんから弱点ばっかり触られて、しかも本人はきづかないしでいつか体がおかしくなって壊れてしまいそうだ。
そして広津さんと立原の方を見てみれば…
『え、何で二人してそんなはずかしそうに?』
顔を赤くして私と目を合わせようとしてくれない。
それどころか、中也さんに
「あの、こいつ…これ分かって言ってんすか?それとも何も知らずに?」
なんて聞いている始末。
「俺が教えた事もねえし、そもそもこいつはそんな恥ずかしい事を人前で言えるほどの精神を持ち合わせちゃいねえ。びっくりなことにただの純粋な奴だ、何も教えんなよ」
「成程、無知というのも中々手強い…」
『……で、立原は』
「は、はははい!」
名前を呼べばとても焦った様子で反応を示した。
『何でそんな焦ってんの?………立原はありがとう、肝心なところで鈍感な中也さんから助けてくれて』
「え?」
「ぐっ……広津さん、泣いていいっすか…」
「また今度いっぱい聞きますから」
お礼を言えばきょとんとした立原。
中也さんの声なんて聞こえてないです。
『だから、お礼言ってんの!分かんない!?』
「わ、分かります分かります!…つか俺の方こそ、強く言いすぎたりしたし」
『...何よ、私年上の暗い人相手にするの嫌よ。謝るくらいなら、その……』
____私の友達になりなさい。