第24章 繋がること
「ああもうよかった、本当によかった、もう俺今日死ぬのかと思った」
痛いくらいに抱きしめられたまま、頭を必要以上に撫で回される。
胸が罪悪感で少し痛い。
『…あの…ごめ「謝んな謝んな、お前の性格は俺がよく分かってっから!」!!…ん…』
不思議と心が軽くなる。
そう言ってもらえると、なんだか楽。
「こいつんところに来てただけ安心した…一人でいられるよりよっぽどいい」
『え…?』
「…まあそういうことだよ蝶ちゃん、皆君のことが心配になっちゃうから…次から行き先だけでも伝えていってあげたら?じゃないと中原君、いつかショックで緊急搬送されちゃいそう」
「ふざけんな、俺は蝶の元に行くまで倒れてなんかいられねえんだよ…心臓止まっても異能で何とかしてやるわ」
『それは私呼んで下さい…』
「!…じゃあ、何があっても呼べるようにやっぱ俺んとこにいてもらわねえとな」
また、そうやって嬉しいことを言って泣かせようとする。
そんな風に言われたら、逆らえるわけないじゃない。
「あーあ、蝶ちゃんとられちゃった」
「元々手前のじゃねえっつの……助かった」
「いえいえ。なんなら、今度蝶ちゃんとデートさせてくれてもい……冗談だって」
もう、一人で泣いちゃダメだからね
なんて私に言ったこの人は、私を一人で泣かせてくれなくなってしまった。
いつの間にか私の深いところまで入ってきて、いつの間にか頼らせるようになっていて。
トウェインさんが受け止めてくれるって、どこかで分かっていたからここに来たのだろうか…それとも、この人に全て知られてしまっても、止めてくれる自信でもあったのだろうか。
自信……いや、これはそういうものじゃなくて、多分願望だ。
いつも、大事なところで私の味方になって現れるから。
「じゃあ、中原君が買ってきたケーキをいただきましょうかね…蝶ちゃんどれ食べる??」
「阿呆か、そっちの五箱は全部蝶のだ。手前のはこれ」
「えっ、待って?僕ケーキ六個も…って、蝶ちゃん三十個食べるの!!?」
「俺と半分半分でな?」
「うっわぁ、なにそれ羨まし…いや、でもすごいね君?その分全量食べきれるくらいに鍛えて……いや、素直に尊敬するよ、うん」
「分かってくれるか手前……いや、こんなもん俺にかかればなんてことねえ…蝶が喜んでくれるんならたとえ火の中水の中、ケーキの中…」