第24章 繋がること
ぽつり、ぽつりと小さく紡いでいった言葉。
焦りや感情的になっていたものが少しおさえられて、私がどこから来たのかも全部…話をした。
そういえば、どうして私はここへ扉を作って来たのだろう。
無意識って、分からない…助けを求められると思った人がいたのにだって、驚いてるのに。
「…成程……蝶ちゃん、質問がある。僕のこと、いなくていい存在だと思う?それだけじゃなくて、フランシスさんや立原君や、ポートマフィアの芥川君に…それこそ中原君なんかのこと」
『!?思うわけない…!!』
「でしょう?そりゃあ、君は僕らのことが大好きだからね…好きすぎて愛が深いくらいに………でもさ、よく思い返してみてよ」
トウェインさんは、私から唇を奪った人…無理な性行為への持ち込みによって、組合へと連れ去った人物。
フランシスさんは言わずもがな、それを指示していた人…そして私を二度、中也から遠ざけた人。
立原は最初、折り合いが悪くて私が記憶を放棄しかけたなんていうこともあった。
芥川さんには…呼び出された時に、危うく命を刈られそうになった。
それから、中也さん。
不意のことであったとはいえ、私の身体を汚濁によって壊しかけたり、私を無理矢理連れ去ったり、頬を引っぱたいて怒鳴ったり。
小さな頃なんかは私になにかあったりしただけで荒れた時期なんかもあって、私の方までそれでどうしようもなくなって。
勝手に好きにさせて、勝手に結婚の約束まで取り付けて、勝手に一生添い遂げようとして。
トウェインさんに言われたのは、そんな…所謂、迷惑を被ったような出来事を思い出してみてということ。
考えてみれば一々大問題だらけだ…だが、これは何も、相手に悪意があったわけじゃあない。
それに、そのおかげで皆と近付けた…そのおかげで、皆と強い絆で結ばれた。
『…でも、皆悪気があったわけじゃない、し……皆、ほんとはいい人、で…』
「そう思うでしょ?…蝶ちゃんが今思い詰めてるようなことって…、蝶ちゃんが悪気があってしたことなの?…わざと?不幸にしたくてやったこと?」
『違…!!』
「うん、知ってる。誰でも知ってる…見てれば分かる。だって蝶ちゃん、そんなこと考えられないようないい子なんだもん……ね?悪気がないいい人って、蝶ちゃんも皆と同じじゃない?」
同じ…私が言われてこれほどまでに刺さる言葉は、あまりない。