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第24章 繋がること


それから少しして落ち着いた頃、私達は殺せんせーの話を聞くこととなった。

まず最初に知らされた事実はというと、私の睨んだ通り、彼は元々死神と呼ばれる殺し屋であったこと。
言われても、違和感を持つような人間は誰一人としてここにはいなかった。

それから語られた、柳沢による反物質エネルギーの、人体への埋め込み実験。
それに伴う体の変化…そして、雪村あぐりさんのこと。

不幸な事故によって彼女を目の前で亡くした彼が、どうして私達を生かすために教師になったのか。

色々と考えることはあった。
しかし、それよりも…それ以上に、私はようやく触手について整理することが出来たのだ。

触手は…柳沢の実験は。
また、その被害を受けることとなったかつての死神…そこから枝を伸ばしたように触手の力を得ることになってしまった、糸成君やカエデちゃん。

そして、何よりも大きいのが雪村あぐりさん…カエデちゃんのお姉さんの死。

「……四年半前のシステムダウンの原因…それはおそらく、先生が引き起こしてしまったものだと思います。白石さん」

『!…そ、う…ですか』

返す言葉も見つからない。

この人のおかげで、私はカエデちゃんに救出され、また中也さんの元へと戻ってくることだってできている。
しかし私ときたらなんだ…反物質エネルギーを人体に埋め込むだなんて、そんな発想を持ち始める柳沢は確かにおかしい。

しかし、それでも…それは、反物質は……

『せ、んせ……それ…わ、たしの…っ…?』

「…白石さん?…ちょっ…!?ど、どうされました!?」

「蝶…?…!おい、蝶!!お前馬鹿なこと考えてねえだろうな!?」

『馬鹿、って…だってその話…、……中也、知ってるんでしょ?私の実験のこと、全部…見たんでしょ…?』

口にすると、中也は何も言えなくなる。
しかしそれとは対照的に、私の言葉は止まらない。

『反物質エネルギーって…そういう、ことじゃない……分かってるんでしょう!?…ねえ、あなたも…殺せんせーなら、分かってるんじゃないん…ですか…』

「何をそんなに動揺して…っ」

『先生…死神、さん……まだ分からない…っ…?』

反物質エネルギーによる実験の被害者…つまりそれは…

『反物質、なんて…私が来たから……私がこの世界に来たから、先生にそんな実験…』

「「…!!!」」

「あ、っ!?おい、蝶!!?」
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