第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
医務室で広津さんと中也さんトークで盛り上がっていれば、医務室に入ってくる二つの足音。
そして入ってきた人物を見て、既に広津さんによってテンションを高められていた私は更に頭に花が舞う。
「よお蝶、待たせっ、ぐあっ!!?」
姿が見えた瞬間に寝台から飛び上がって、その人の首元に飛びついた。
『中也さん!私、たとえ広津さんにだって中也さんの事渡さないからね!?』
「何で飛びついてくるなり俺が広津さんの物になろうとしてんだよ!?つかお前の反射神経どうなってんだ、俺がかわす間もなく来やがって…」
『え、中也さん避けちゃうの?……って、何見てんですか絆創膏男さん。貴方にだって渡しませんよ中也さんは』
中也さんに飛びついてから目を開ければ、少し驚いたようにこちらを見ている絆創膏男さんに目がいった。
そしてそれを見計らってか、中也さんは私を抱き上げ、元いた寝台に座らせようとする。
『ふぇ、!?ちょ、中也さんそこっ…!!』
しかし、私を支える彼の両手は、見事に私の擽ったいところを刺激してくる。
それによって体に力が入った私は、中也さんに離して欲しいのに離れられないという状態に陥ってしまう。
何でこの人私の弱点ばっかり触ってくるの!?
「あ?ちょっと黙ってろ、勝手に飛びついて来たのはお前だろ」
『ひっ、!?…あの、だからっ…手っ、またっ……』
呼吸が整わない上に敏感な部分を触られて熱くなる私の顔。
能力を使って抜け出そうとしても、まともに頭がまわらずあえなく失敗。
「か、幹部……多分その、手が当たってるところが…」
「何だよ立原、手前の為に離そうとしてんだろが?」
「いや、だからその…そいつ一応女ですし。そこ触られんのは結構なもんがあるんじゃないかと」
私に救いの手を差し伸べたのは、まさかの絆創膏男だった。
『なっ、何で貴方がそんな事に気づ……ひあ、っ…んん!』
絆創膏男の言葉に何故かフリーズして、更に私を支える手に力が入る中也さん。
恥ずかしい声が漏れちゃうじゃない、なんで早く離してくれないのよ。
「結構なものって、まさかまた俺は…」
何て顔を青くしていて、一向に彼は手を離してくれる気配がない。
早く降ろしてくれないと、こんなのただの公開処刑じゃない…
しかし次の瞬間、私の体がふわりと別の手に抱えられた。