第2章 暗闇の中で
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銃声や火薬の匂いがたちこめる中、突然にその知らせはやって来た。
「……さん!今、首領から連絡が!!」
「なんだよ、この忙しい時に!!まだまだ鎮圧すんのに時間かかりそうなんだぞ、分かってんのか!!?」
もう何ヶ月もここで戦闘を続けてる。
自分が前線にたってるってのに、情ねぇことに、中々終わりが見えねぇ。
「そ、それが、今すぐ伝えろとの事で…」
どうやら首領は、よっぽどの連絡を俺に寄越してきたらしい。
今はこの場からあまり離れない方がいいのだろうが、首領がすぐにと仰せだという事は、それほど重要な連絡なんだろう。
「なんだ?まさか、このいつ終わるのかも分からねぇような小競り合いが、数日中に終わるような策でも思いついた…とかってわけじゃぁねぇよな。」
そんな情報があるのならば、今すぐにでも飛びつきたいくらいだが。
拠点としている建物へと一旦避難し、部下が繋いでいた固定電話のある場所に着き、受話器を受け取る。
「代わりました、首領。今、こちらはかなり相手と拮抗してる状況なので、可能であれば後にしていただけるとありがたいのですが。」
「いや、この件に関しては、情報が入った今、真っ先に君に伝えておいた方がいいと思ってね?これを知れば、君の少し沈んだ今の精神状態もかなり回復するだろうし、その度合いによってはすぐにそっちも鎮圧できちゃったり…」
首領の少しおちゃらけた声色に、最初は若干の苛立ちを覚えたが、何やら本当に凄い情報が入ったみたいだ。
「…それで、その情報というのは?」
首領の声は一変し、貫禄のある声で情報が伝えられた。
「……あの子がね?“白石 蝶”が、横浜で見つかった。」
その声に、頭が一瞬で真っ白になった。
「見つかったって…無事なんですか!?生きてるって事ですよね!!?」
「ああ、芥川君が証人さ。それに、君への伝言も頼まれたらしい。“私は生きている。待ってるから。”と、彼女から君への伝言だよ。因みに彼女は今、武装探偵社でお世話になっているそうだ。」
半ば諦めかけていたあいつの生存。
しかし、あいつは生きていて、俺への伝言までついてきた。
「……っ、首領、ありがとうございます。数日中にここを鎮圧して、すぐにそちらに戻ります。」
「よろしくね。
_______中原君。」