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第22章 云いたかったこと


太宰さんから甘いお菓子の詰め合わせと可愛らしい冬用のもこもこした部屋着、織田作からは太腿に付けるタイプのホルスターを二つと洒落たデザインの万年筆。

更には広津さんから好みの香りのオードトワレに…森さんと紅葉さんからはまあ、数々の衣服。

まさかこんなにもプレゼントをいただくことになるとは思ってもみなかったのだけれど、どれも私には勿体なさすぎるほどにすごいものばかりで、そしてそれと共に圧が激しい方が多くて少し動揺した程。

それだけでも満足過ぎるものだったのに、だ。

『…っ、!!!ち、ちちち中也さん!!!!き、来てる!!!』

「あ?…ああ、プレゼントな…中は?」

昨日家に着いた頃には手紙は既になくなっていて、挙句夜に寝付くのが遅くなってしまったためにサンタさんにお礼も言えず…なのにも関わらず、枕元にはちゃんとプレゼントの箱が。

『わ、わかんない…あ、開けていいと思いますか!?』

「お前のためのプレゼントなんだから開ければいいじゃねえか…」

『!…な、なんか緊張してきた…っ』

赤色のリボンを解いて、包装紙を綺麗に剥がし、箱を開ける。
すると、中にはちゃんと入っていた…私がお願いしていたものが。

「んで、何が入ってたんだ?」

『!!…えへへ…これです!』

思わず緩くなる表情。
中也さんに向けて見せたプレゼント…そこにあったのは…

「すげえ量だなそれ…チケット…?だよな?なんでそんな何十枚も頼んでんだ?」

『本当はいっぱい欲しいとしか書いてなかったのに、サンタさんがこんなに……あ、あの、中也さん!!』

「!はい、なんですかお嬢さん」

『え、えっと…これ、全部一緒に回りましょ!!スイーツ巡り…一緒に!』

私が手紙でお願いしたのは、正確に言えばチケットではなかったのだけれど…まさかこんなにも、有名スイーツ店のチケットがいただけるなんて思わなくて。

「…ぷっ、俺が一緒でいいのか?それ…スイーツ巡りなら、お前が一番楽しめそうなもんなのに」

『中也さんと一緒が一番楽しいの…』

「……よっしゃ、んじゃあお言葉に甘えますか…今日こそお前と全部半分こして食いきってやるよ」

手紙の内容なんて、単純なもの。

“中也さんと二人で、中也さんも楽しいクリスマスが過ごしたいです”


~後日、中原中也の独り言~
「あああ良かった、バレなかった俺ええぇ…!!!」
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