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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


「そ、そんな!寧ろ私の方こそ命を助けていただいたんです!」

『…じゃあ、お相子という事で!』

樋口さんににこりと笑いかけてから、彼女には早く芥川さんのいる部屋へと行ってもらうようにお願いした。

その間、広津さんは私のことを黒服の皆さんと、先程デコピンを受けた男の人に話していた。

「特別幹部って、噂だけは聞いた事あったが……まさかこんな餓鬼だったとは」

『失礼ですね、貴方の言うそんな餓鬼とやらに、一撃も当てられなかったのはどこの誰ですか』

ふん、とそっぽを向きながら言ってやればカチンときたのか、可愛げねえ!!と叫ぶ始末。
何なのこの人、さっきから本当に失礼な人ね。

『だいたい、私は今回広津さんと銀さんと樋口さんに会いに来ただけなんですよ。あと樋口さんのサポートに。貴方みたいな失礼な方と仲良くお喋りする為じゃありませんから』

「こっちから願い下げだよんなもん!!……いってぇ!!だからなんで銀まであいつの味方なんだよ!?」

銀さんの軽やかな回し蹴りが見事に決まる。
流石だ。

「まあまあ蝶ちゃん、こちらは立原君。口ではこんな事を言っているが、君は可愛いからね。照れていると思ってもらっていいと思う」

『広津さんはフォローがお上手ですね!でも私、ごめんなさいが出来ない人って大人としてどうかと思うんですよ。……あ、あと可愛いとか言われても何も出ませんからっ』

広津さんは出来る大人の鏡のような人だ。
こんな風にさらっと気の利くことを言ってくださる。

面と向かって可愛いなんて言われると照れてしまうじゃありませんか。

「お、お前可愛いとか言われたくらいで照れてるだなんて、やっぱ餓鬼だな!」

しかし横やりを入れてくるのがこの男。

『さっきからしつこいですよ?そっちの方がよっぽど子供なんじゃありません?立……なんとかさん』

「なんとか……っ、俺は立原道造だ!お前絶対わざとやってんだろ!?」

『あーあーなんにも聞こえませんね!悔しかったらもっと銃の腕でも上げて出直してきて下さい?』

く、こんの餓鬼!

また餓鬼って聞こえた気がしたけれど無視。


「いやあ、仲良くなれそうで何より」

「『誰がこんなのと!!』」

広津さんに反論すれば、絆創膏男と被ってしまった。

それにまたムッとして睨みつければ相手も睨み返してきた様子。

やっぱり仲良くなれそうにない
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