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第21章 親と子


今まで私は、一体何に固執していたのだろうか…どうして、躊躇って自分の力に制御をかけていたのだろうか。

「…っ、な……ッッ!?あ、足…地面!?凍って……!!!」

「……いや、待て、悪かった!!!だから殺すのだけはやめ…ッ!!?吹雪!?んなもんどこから……ってなんだこの蝶!!?熱…っ、燃え……!!?」

相手の男の悲鳴で…何かを手放して冷静になって、頭の中が整理できた。

目隠しや拘束具を消滅させ、今の現状を認識する。

ゆっくりと立ち上がれば、見えたのは男が五人…あの人の姿はそこには無く、目を細めて相手の方を向く。

『……動きたい?…動いたらいいと思うよ……無理矢理動いて足の皮が剥がれてもいいって言うんなら』

「「ひぃ……!!?」」

『何がいい?ねぇ…冷たいのと熱いのと…しびれるのとえぐれるのと、切られるのと溶かされるのと……どれがいい?』

____まずはここから。
手始めに、軽い小手試し。

『……寒くて喋れない?熱くて喋れない??…何か言ってよ…さっきまであんなにお喋りだったじゃない…………ねぇ?』

吹雪の中、どこからともなく現れる雷雲。
私の蝶が集まって黒雲がうまれ、一羽……たったの一羽だけ、光り輝く蝶を舞わせる。

『うん、なんかもう面倒になっちゃった…一回打たれてよ、お兄さん達皆』

その蝶が黒雲に触れた瞬間の事。
声も出せずに、凍りついた床のせいで動くこともできずに…五人の人間は雷に打たれて、穴の空いた床の下へと叩きつけられた。

『……痺れちゃったら、その方が痛くないもんね?』

クスリと笑ってから踵を返し、部屋の出入口目掛けて歩いていく。

扉を消して歩けば、歩いた場所から凍りついていく建物。
しかしどうしてだろう、驚く程に人がいない。

不審に思って階段を降り、歩いて行く。

そんな中、また数人の男と出くわした。

「お前…は……ッ!?」

『…後で相手してあげるから、お仲間さんのところに行っておいで』

扉を作って雷に打たれた五人の元へと無理矢理転送し、それを消す。

人と出会ってはそれを繰り返していき、遂にたどり着いたその部屋。
階段を降りる際に八階と見えたので、恐らくここは七階…私がいたのは十三階といったところか。

部屋が凍りついたところでまた吹雪が吹き荒れ始め、その場にいる全員に止めを刺そうと、様々な輝きを放つ蝶を舞わせた。
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