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第21章 親と子


女に能力を解除させると、俺のいる場所が牢獄のような小さな小さな場所である事が判明した。
…こういう場所はまず、地上には作らない。

とすると、いるのは地下か…?

「……手前も災難だったな、手を出す相手を間違えなけりゃ、もう少し長生き出来たもんを」

捨てるように女の身体を地面に投げ、牢の鍵を異能で壊し、外に出る。

「………うじゃうじゃしてんな、道開けろ…俺は今心底虫の居所が悪ぃんだよ…!!!」

本当に数だけは大したものだ。
数えるのも億劫になりそうなほどの人数が蔓延る廊下…恐らくその先もそうなっているのだろう。

あまりにも人数が多すぎて、それで異能を使ってまとめて圧死させようとした…のだが。

「…チッ、まさかんな厄介な異能力者がいるとはな……こうなったら手前ら、まともな形のまま生き残れると思うなよ」

恐らく、全員が重さを変えられている…重力で簡単に潰せそうにないのがいい証拠だ。
重さなのか質量なのか、どっちでもいい。

ただ一つハッキリしたこと…それは、俺自身の手で全員を始末していったほうが、恐らく早く済むということ。

飛び道具や銃弾を異能で無効化しながら、後は肉弾戦で道を少しずつ作っていった。

頼む、頼むから…何も起こらないでいてくれ。
無事でいてくれ…蝶…
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