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第21章 親と子


『…ま、まだ?わ、私そろそろその…恥ずかしい…』

「抜け出せるもんなら抜け出してみろよ、んな事言って気に入ってるくせに」

『ひにゃ…っぁ…う…』

ただ今、中也の膝の上にて仰向けに寝転がされています。
挙句の果てには本当に猫に接するように撫でてきて、それに反論しようとすると耳元を擽られる始末。

「あーあー、敵陣でそんなくつろいじゃって…停戦中とはいえいいのかい?五代幹部の一角がこんなところで…」

「手前がその五代幹部に喧嘩売ったからこうなってんだろが、ああ?」

「わざわざ電話を寄越してあげたのだよ?ねえ?」

「黙れセクハラ野郎、手前今すぐここで縊り殺してやってもいいんだぞ?人のに触れたくりやがって」

触れたくってるのもセクハラも、両方貴方一人です、はい。
貴方くらいしかそんなことしてません。

「セクハラって…それ中也のことじゃないの?蝶ちゃんにそんなことばっかりして」

よく言ってくださいました太宰さん。
そうですよね?
私にそんなことばっかりするのなんか中也さんしかいませんよね?

『ち、中也…私、そのっ…』

「あ?なんだよ今度は、こちとら今折角お前で癒されて『ふ、二人でいる方がいいかな…なんて…』…」

ピタリと手を止める中也。
そう、私だってもう長い付き合い…いい加減に扱い方も分かってきてる。

「おや、蝶ちゃんもなかなか中也の扱いが上手くなってきたね?」

『だ、だって恥ずか……っ!!?』

途端に起こされる上体。
そして抱き寄せられて一言。

「よし、帰るか」

どこにですか。

「ぷっ…!!中也君単純すぎてもう笑うしかな「蝶が自ら俺を選んで二人になりたがってんだ、叶えてやらねえ理由なんかどこにあんだよ」私に向かってでれでれ顔見せるのやめてくれないかな?気持ち悪い」

『か、かかか帰るって言ったって私まだ学校…て、テスト前!!』

「だから、車で乗せてってやるんだよ。デートついでにな♪」

『デ…っっっ!!?♡』

一瞬で落ちた。
だめだ、扱い方が分かってるのは向こうも同じだった。

ショートした頭から熱が抜けずに両手を頬に当てていると、中也の手が私をそのまま抱き上げる。

「おーおー、可愛らしい反応してくれんな相変わらず…なんなら久々にバイクでもいいんだぜ?」

『む、無理です!!!』

「ははっ、分かった分かった」

恥ずかしいのに
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