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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


待機場所を決めてから結構な時間が経過した。
する事もなく、少しうとうととしかけていた頃、自分が今制服を着ているままだという事に気がついた。

そして扉を作って探偵社の社員寮へ行き、制服を脱いで軽装に着替える。
肌寒かったのを思い出したから外套も忘れずに着ていく。
また制服に血を付けるわけにはいかないしね…まあ広津さん達が来るんだったら、元よりそんな心配いらないのかもしれないけれど。

なんて考えつつ支度を整え、丁度ガンホルダーを装着し終えた時だった。

私の携帯が、一瞬震えた。

それを合図に扉を作り、再び先程まで居た待機場所に戻る。

目を凝らしてよく見ていると、芥川さんと再会した日、彼の傍らにいた綺麗な女性…樋口さんが走ってくるのが見えた。
異能力も持たずに普通の女の人が、武装した傭兵集団に単身突入ねぇ…

『よっぽど芥川さんのことが好きなんだなあ…』

でも、そんなに好きだと思うんだったら、自分から簡単に死にに行くような真似しちゃだめだよ。


樋口さんは敵のアジトの扉の前で立ち止まり、少し間を置いてから手榴弾を投げ込んだ。
やっぱりこっちで待っててよかった、あれに巻き込まれるのもあんまり好きじゃないし。

そしてやはり、一人で銃を構えて突入した。

それを見届けてから、私も敵のアジトの建物の中へと移動する。
直接手は出さず、サポートをしろとの指示なので暫く大人しく様子を見ていた。

敵はお金をかけているだけあって、中々に頑丈そうな様子。
そんな中、樋口さんが太股に被弾したのが見えた。

これはそろそろ、私も動いた方が良さそうだ。

敵が樋口さんの肩に向かって弾を撃つ。
しかし、それを私は自分の撃った弾で相殺する。

金属製の大きな音が響き渡った為、敵も樋口さんも動揺し始める。

「!い、一体何が…」

撃たれた太股を庇って呆然としている樋口さんに目を付けた敵が、樋口さんの周りを取り囲んだ。

しまったといったような顔で、目をぎゅっと瞑って覚悟を決める樋口さん。
敵は一斉に樋口さんに向かって狙撃をするが、その弾も全て私が撃ち落とした。

流石に敵も怪しく思ったのか、ざわめき始める。
けれど、そんな中、敵の一人が樋口さんに直接銃を当てがい、とどめを刺そうとした。

『……やっと来た』

大きな銃声が響き渡る。
_撃たれたのは樋口さんにとどめを刺そうとした敵の方。
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