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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


久しぶりのポートマフィアの方の任務という事で気合いが入る反面、少しわくわくもしていた。

周りの人達曰く親と似た…つまりは中也さんと似た性格をしているらしい私は、戦闘狂とまではいかずとも、喧嘩や戦いといった行為が嫌いなわけではなく、寧ろ最中になれば少し乗り気になっていたりもする。

久しぶりに本格的な戦場に入る事が出来る為、実を言うと伸び伸び戦闘が出来そうなこの状況を喜んでいるのだ。

学校じゃああくまでも護衛って形になってるし、ポートマフィアはそういう仕事を私にあまり回さないし。

探偵社の方には国木田さんに今日は用事が出来てしまったため社には顔を出せないと、中也さんには首領のドレス選びに夜通し付き合うことになっているとそれぞれメールで伝えた。

探偵社の方はともかく、多分中也さんには、会って嘘をつくと絶対見抜かれる。
作り笑いも見抜かれる上にちょっとの気分の変化にも敏感な中也さんじゃあ、会ってしまうだけでも即刻バレてしまうから。

『ああー…ごめんなさい中也さん、蝶はとっても悪い子ですっ。 明日の愛妻弁当には支障をきたしませんので、どうかお許しを……!!』

実弾を武器庫で補充しながら嘆く。

今はBB弾なら山ほど装備しているけど、流石にBB弾を使って武装集団を相手にする気はない。
壁の原理を応用させれば、BB弾だって実弾並の破壊力を誇るものになり得るが、何発使うか見通しが立たないためやめておく。

まあどれだけたくさん使ったとしても、昨日あれだけ大きな輸送船を丸ごと、かなりの強度で三回も覆ったのだ。
それを考えれば血の消費も大したことはないだろうが、こちら側に被弾するような事になるのを防ぐためにも使いたいし。

『よっし、行きますか』

銃弾を補充し終えて、首領から手渡された写真の風景を見ながらその場所を連想し、扉を渡った。

そして芥川さんが誘拐された合図となる首領からの連絡が入るのを待つため、敵のアジトの周りの建物の内、一番近かった建物の屋根に移動した。

ここからなら敵のアジトからじゃあ見えないし、樋口さんや黒蜥蜴の皆さんが突入していくのも見れるはず。

未だに樋口さんの事を詳しく知らない私は、恐らく彼女の戦闘スタイルを見てから突入した方がいいだろうから。

『…っくしゅ、……もうちょい厚着してこれば良かったかな』

横浜の夜は、まだ少しだけ肌寒かった。
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