第21章 親と子
「…あんま目こすんな、腫れるから」
『だ、って…だって……』
「……俺はちゃんといるだろここに?な?…ちょっと冷たくしちまったのは悪かった……ただ、俺は他の奴らみてぇに…残念ながら、器用にお前に言い聞かせられねえんだ」
『!!…そ、んなこと……っ』
「…昔からそうだろ?結局他より不器用で、変な……やりすぎだって言われるような方法じゃねえと、伝えられねえんだよ、俺」
初めてだった。
この人が、そんなことを口にしたのは。
器用じゃないって、そこに負い目を感じたように言ったのは。
『……で、も…私が、こんなだから…』
「蝶が悪いわけあるかよ…今こんな事になってんのも俺が原因みてぇなもんで……っ?」
中也の服の袖を握って、まだ少し震えながらも、中也の胸元にくっついた。
『…今日……一緒に寝て…も、いい…ですか……?』
「!………いいのかよ…」
『……うん…寝る……中也さんとこで一緒に寝る』
「…それ、なら……安心だな…ちゃんと寝ろよ?言ったからには」
少しだけ震えたような手つきで恐る恐る撫でられて、その手に擦り寄ると中也は普通に…いつものように撫でてくれた。
『うん…中也大好き……けどさっき意地悪言ったから、今日は私がお仕置きしてから寝るの』
「え……ち、蝶さん?…蝶さん!!?」
ベッドの上で押し倒す姿勢になるように自身と中也を移動させ、そのまま中也のシャツのボタンを外していく。
『………浮気宣言まがいなことした仕返し』
「ッ、…ぁ……お前覚えてろよ、後で仕返してや『いいよ、好きなだけ付けてくれて』〜~〜っとにそういう事ばっかりをだなお前は…っ!!?」
抵抗せずに私のマーキングを受け入れる中也は、小さく可愛らしい声をあげながら私に印をつけられていった。
その後、本当に仕返しにあって同じくらいかそれ以上の数の華を咲かせていかれたのだけれど、最終的には唇に口付けてくれたため、私としては嬉しい限りのことである。
いつもよりも付ける数が多かったような気はするが、それだけ想われてるって伝わるから、付けられたって嫌じゃない。
形にしてもらえた方が、臆病な私は安心できるから。
『…ッぁ……っ』
「……キスマーク撫でられただけでそんな顔すんな…今日はもう寝るからな。夜はしねえぞ」
『ん……ッ、キス…は…?』
「…まだ欲しいのかよ…ったく」