第20章 家族というもの
「にしても中原君って酷いやり方ばっかりするよね〜…不器用なんだから」
「っせぇ…」
「………そんなに嫌だったんなら謝っとい「次はしねえから」変わり身早いね本当…」
『…やだ、許さない』
「……」
応じた私も私だけれど。
確かに強引だったし、おかしかった…私のためだったとしても、あそこまでしなくてもよかったはず。
…多分。
「蝶ちゃん…珍しい」
『だってまだキスしてくれてないもの』
「「え…」」
『……何よその反応』
目を点にする二人に向かって、不機嫌に言う。
当然だろう、あれだけ無茶苦茶にされた挙句にお預けばっかりされて、挙句約束のキスさえまだなのに。
『…トウェインさんの引越し祝いはまた今度。中也さん今からお説教』
「え…あ、ああ、うん?お祝いなんて気にしなくても『するから。じゃあね』って部屋隣なのに能力使うんだ!?」
「は?蝶っ、何を……!!?」
扉の中に中也の襟を掴んで入り、その場から退散する。
移動先は中也の寝室。
ベッドの上に馬乗りになって跨って、今度は私が中也の衣服を緩めていく。
『…ねぇ、まだ?まだお預け…?』
「ちょ、…っ、ぁ…こらっ、蝶……!」
首筋に吸い付くとそれに中也は肩をビクつかせ、私の肩に手をかける。
『……昨日から、全然してもらってないんですけど』
「ッ、……こっち来い、顔寄越せ…っ」
『!っん…ッ!!』
無理矢理手で抱き上げられるように顔を寄せられ、そのまま荒々しく唇に吸い付かれる。
私から強請ったはずなのに、中也の方がしたがっていたかのように。
中也の手が私の髪をおろし、それを耳にかけて首を撫でる。
『ぁっ…、あ、ぅッ…♡……ンンっ…む…♡』
「っは、…ッ……ン…っ」
『こ、なキス知らな…っ、ン〜〜〜ッ!!♡♡』
苦しくなるほどに長く口付けられて、舌を吸われて甘噛みされて。
蕩けるというよりグチャグチャにされて、ドキドキするというよりメロメロにされて。
「……ッ、…はぁ…っ………てめぇ…俺がどんだけセーブかけてたか知らねぇだろ…なぁ?」
『は…ぁう……ッ♡…っ、あ…はぁ……中也さ、ん…手前、ってやぁ…♡』
「…さん付けやめたらやめてやるよ……なぁ、澪」
『ひっ…♡…は、ッ……はっぁ…♡』
澪はずるいのに…
『……ッ、中也ぁ…、ねぇ…シよ?シて…?』
「…覚悟しとけ」
