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第20章 家族というもの


そんな頃からもう話があったのか、と私も中也も何も言えなくなる。

なんだろう…首領ってもしかして、トウェインさんとノリが同じ人?
なんかそれにしか見えなくなってきた…

『…私暫く首領と口きかない。プリン五十個も首領に請求する』

「よし決定だ、他にはあるか」

『中也さんもお酒くらい要求していいと思う』

「それだな、よしきた。ダメだってんなら退職だ退職、辞任してやるあんなところ」

「君達一応あの人上司だったよね!!?」

トウェインさんの突っ込みなんか無視だ。
隣とか聞いてないし、そもそもあの階は私達しか居なかったはずなのに……向かいの部屋にトウェインさんか。

ポートマフィアの経営なはずなんだけどなぁ……何考えてるんだろうあの人は。

無言で首領に電話をかけて、携帯を耳に当てる。

「もしもし蝶ちゃん!?どうしたのこんな時間に、もしかして僕に会いたくなったんじゃ____」

『プリン五十個、あとロマネコンティ。契約内容に反する上に相手はポートマフィアの幹部どころか職人さん……無いならポートマフィア辞めます、あと口もききません。以上』

「ようし、すぐにでも手配しよう…って、トウェイン君に聞いたのかい?もうとっくにバレてるものだと思ってたのに…やっぱり律儀な子だねぇ彼は」

『無駄口叩いてる暇があるなら引越しますから手配しといてください森鴎外さん』

「内緒にしててごめんって…」

ブチッと電話を切ってやれば、顔を青くしたトウェインさんが私の方を向いて言う。

「君達……組織のトップ…相手、だよね?」

『部下の意見も聞けないようなトップなら死んだ方がマシです』

「同意見だ…よし、部屋のなかはこのままでいいんだろ?それなら蝶に頼めば一瞬だ……良かったな蝶、あとはプリンが待ってるぞ」

『うん』

白い扉を作って、繋げた先はお隣の部屋。
そして各部屋ごとにそれぞれ、今ある家具の配置を変えずにそのまま部屋の中身を入れ替える。

『……はい、終了』

「あっさりいったな…首領が到着する方が時間かかるんじゃねえかこれ?」

「隣に越してきたマーク・トウェインです…」

汗をダラダラと流しながら、震え気味にトウェインさんはそう言った。

『大丈夫、トウェインさん悪くない。全部首領が悪い』

「ここ普通なら住めねえからな?いやこれまじで」

「『それをあの人は…!』」
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