第20章 家族というもの

『？…言いたい事…？もう会ってもらって…十分…ｯ！？ぁ…っ、なんでｯ！？なんで怒って…っあ…っっ♡』

膝でグリグリと突起を圧迫されて、無理矢理軽くイかされた。

どうしてこんなことをするのかが分からなくて中也にもっと寄りかかると、中也はまた口を開く。

「可愛らしいのはいいんだぞ？けどなぁ、お前…ちょっと俺の方にばっかりねだりすぎなんじゃねえの？……トウェインの方にも甘えてみ『や、だっ…』…なんで？」

『な、んでって…「こいつの事が嫌いか？」違っ……ぁ…ｯ、？…な、なんで…キス…っ』

してくれなかった。
それさえもしてくれなくなった。

私が一番大好きなのに…それを分かって、中也は私のキスを避けた。

「お前、立原と話してる時にはちゃーんと素直に言えてたんだろ？なぁ…トウェインにお願いしたいことがあるんじゃねえのかよ？」

「な、中原君？それ知ってるんだったら、君が教えてくれればいいんじゃ…」

「……俺は自分のお願いも口に出来ねえような餓鬼は好きじゃねえなぁ…抱く気も失せる」

「え…？」

それはあってはならないこと。
そんなこと、いけない…私に愛想を尽かすだなんて、嘘でも口にしちゃいけない。

それ程までに見ていられなかったのか…はたまた私に自分で口にできるよう教育するためか。

『ぁ…や、だ…っ……嫌だ、中也さ「じゃあいい子の蝶なら言えるだろ？あいつの方向いて言ってやれよ…強要するわけじゃねえんだから。言ってみるくらいのこと、いいだろ別に」…中也さん、は…嫌…？』

「…お願いちゃんと言える蝶はもっと好き……それとも何だ、俺に無理矢理命令してほしいのか？拷問みてぇな扱いは勘弁だぞ」

『！！♡…っ、ふぁ…ｯん…♡…っぁ…あ…はぁ…ｯ♡』

仔猫を可愛がるように首元を指でスリスリと撫でられて、それと一緒におでこや頬にキスされる。
ずるい…さっき自分は拒んだくせに、こんな事ばっかり。

目に涙をためて耐え始めれば、中也がぴたりとキスを止めて言った。

「…ちゃんと言えたらキスしてやるよ、一番欲しいところに」

『ぁ……ｯ、ぅ…ほん、と…？無しとか言わない…？』

「最後までしない代わりに鬱陶しいくらいしてやるよ」

『………ん…』

一つ頷くと中也に手を取られて、そのままトウェインさんの方を向くように向きを変えられる。

そんなに分かりやすかったのかな…