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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


お昼も授業も終えて、皆が帰った頃にポートマフィア本部の首領の部屋へとお邪魔した。

『失礼します。……首領、昼間の件ですが』

「よく来てくれたね蝶ちゃん!ああ、あれね?」

結局、私の好みだった方のドレスを選んで首領に返信はしておいた。

『はい、何でいきなり私なんかに……というか、学校で携帯がなったら緊急事態かと思って焦るじゃないですか。次からやめてくださいね』

「ええ〜!?頼むよ蝶ちゃん、エリスちゃんが君に選んでもらったドレスしか着たくないって言うんだからさぁ!」

メールの発端はそこだったか。
くっ、首領も流石だ、私が可愛い女の子からの頼みを断れないと分かっていてこんな事を…

その時出てきた、フリルのたくさんついた赤色のドレスを着た女の子。

「何言ってるのよ、リンタロウが気持ち悪いから、仕方ないけどチヨの選んだやつなら着てあげるって言ったんじゃない。次からチヨに迷惑かけたら、一ヶ月口聞いてやらないんだからね」

可愛い可愛いエリスちゃん。
私を庇ってくれるのかこの子は。

「そ、それは困るよ!でもそんなところも可愛い!!…でもエリスちゃんにそう言われちゃあ、控えるようにしなきゃいけないねぇ」

ガクッと、蝶ちゃんとも話せるし一石二鳥だったのに…!と本気で悔しがる首領。
本当に大丈夫かポートマフィア、首領がこんな人でよく持ってるな。

『で、首領。本題は?』

「本題……ああ、そうだった。蝶ちゃん、君が昨日助けてくれた芥川君の事なんだが」

この人自分から呼んでおいて本題忘れてたよ。

という事はさておき、話を聞く。

どうやら芥川さんが少し前に壊滅させた裏組織が、別の組織から武装させた傭兵を雇い、芥川さんを攫おうとする動きが見られているらしい。
しかし組織で動くとなると、芥川さんを助け出せてもその後に大きな抗争になりかねないという事で、なんとか小さく事を終えたいそうだ。

「そこで、芥川君の部下の樋口君には、事前にこれを伝えてある。彼女は芥川君に忠実な女性でね?…今はもうポートマフィアではない君に、彼女のサポートに赴いて欲しいんだ」

彼女は恐らく、一人で動く。
そう言って首領は私を見据える。

『私は勿論構いませんよ。芥川さんと…その、樋口さんには御礼をしたいと思っていましたし。ポートマフィアを抜けてしまった私でも首領の役に立てるんなら、喜んで』
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