第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
仕事の同僚だと説明をして、この可愛さを共有しようと写真をクラスの子達に見てもらった。
『何この子、何なのこの子!もうこの可愛さが凶器だよ、罪だよ!!』
「落ち着いて蝶ちゃん!確かに可愛いのは分かるけど!!」
写真を見ると、けど確かに可愛いよなぁという声があがる。
「でも、こんな女の子までボディガードの仕事やってんの?見たところ俺らと同い年かちょっと下くらいだろ」
『あら失礼ね、私だって皆と同い年なんだけれど』
岡島君の発言に少しムッとして言うと、すぐにすんませんと土下座されたから許した。
「でもそう考えれば、蝶ちゃんほんとにすごいよね。ナイフも体術も狙撃も…料理まで!」
『それ程じゃないよ、私なんてまだまだ。狙撃は専門じゃないだろうから私の方が得意かもだけど、ナイフも体術も中也さんの方がよっぽどすごいよ?料理に関して言えば、中也さんのを見て習ったようなものだし……どうしたの皆』
毎度の如く中也さん自慢をしただけなのに、皆して顔が青くなっている。
「白石よりすごいナイフ術と体術とかどんだけだよ…つか料理するようなキャラだったのかあの人!?」
「やっぱ蝶ちゃんが好きなだけあって格が違うわ、中原さん」
「そういや修学旅行の時なんか、蹴りでコンクリートの床にヒビ入れてたぜ」
周りで繰り広げられる中也さんトークに、気分がとても良くなった。
『まあほら、私が小さい頃から育ててもらった親みたいな人だから…本当、悲しいくらいに家事とか出来ちゃうんだよねぇ』
再び何かを察してくれたのか苦笑いになる皆。
「あれ、蝶ちゃんの携帯まだ光ってるけど、メールさっき開かなかったっけ?」
私の携帯を見てカルマ君が言う。
そういえば二件入ってたんだっけ、タイミング良すぎでしょ、なんで全く同じ時に二件も来るの。
気分が下がれば少しヤケになる私は、仕方なくといったように二件目のメールを開いた。
送信者は
『え、首領!?なんでこんな昼間に…』
ポートマフィアの首領、森鴎外。
話…頼み事があるのは今日の放課後だったはず。
ポートマフィアという一大組織を束ねる首領ともあろう人が個人にメールを送ってくるだなんて。
今回も写真が添付されており、写っていたのは二着のドレス。
文面は、どっちがエリスちゃんに似合うと思うかというもの。
私は迷わず携帯を床に投げつけた。
