第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
昼休み、寺坂君の巻き付けたガムテープによって、今日は平穏に過ごしていた。
そして今日は、何気にこの学校に来て、初めてまともに昼食を食べる。
中也さんに作った程の量はないけれど、彼への愛妻弁当と同じメニューのお弁当。
本日は鉄分重視とデザートが目玉というように作ったそれを開いた。
そこに食いついてくる隣の彼。
「うん、昨日と変わらず美味しそう…え、ちょっとまって蝶ちゃん、なにそれ」
カルマ君の言うそれとは、お弁当箱とは別で用意したタッパーに入ったものだった。
学校にいる間はちゃんと保冷していたため、出来たての味が楽しめるはず。
『何って、見ての通り…シフォンケーキの生クリーム添えと、お手製のプリンだよ。あとは上からカラメルソースを掛ければ完成』
説明しながらカラメルソースの入った容器をちらりと見せれば、瞬く間に皆集まってきた。
「学校になんでこんなレベルの高いデザート持ってきてんだよ!?つかよく持ってこれたな」
「ぷ、プリンだ…!!しかも後からカラメルソースかけるタイプ、絶対美味しいやつ!」
「え、てかこれ手作りなの!?お弁当の方も全部!!?」
なんて反応は様々で、少しだけびっくりしてしまった。
『うん、勿論手作りだよ。昨日の晩の内に作っといたの。』
「にしても豪勢だなぁ。弁当よりかも、実はメインがデザートの方だったりすんのか?殺せんせーだって物欲しそうにしてんぜ」
「ニュヤ!!?バレましたか!!」
ドアのところに隠れていたが、殺せんせーは前原君に見つかった途端にこちらに移動してきた。
「いやでも本当に美味しそうだったもので、つい…」
なんて言いながらクネクネしている。
『うふふ、そうでしょう?愛妻弁当作るからには、美味しいのにしなきゃダメだからね!あー食べてくれてるかなぁ中也さん…♡』
「「「あぁ…な、成程」」」
「ニュ、恐るべし中原さん…」
皆が何かを察していた時、私の携帯が鳴った。
何かと思って焦って取り出して見たら、メールの通知が同時に二件。
『メール…?仕事じゃないのかな……!!』
ガタッと音を立てて、思わず立ち上がった。
一件目のメールは谷崎さんからで、写真が添付されていたのだ。
「ど、どうしたの?蝶ちゃん」
写っていたのはメイド服を着た鏡花ちゃんだった。
『だ、ダメだ…なんだこの子可愛すぎる!!』
