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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


『いやいや、多分殺せんせーなら私と同じ発想をされてるんじゃないかと思って。昨日は私が帰ったのを見てからどこかに行っちゃってたので、もしかして、と』

「先生としては予算の都合でもかなり助かるのですが……どこでこんな知識と技術を?」

これは痛い質問をされた。
結論から言ってしまえば、私のこの知識はポートマフィアでつけられたものではない。

首領や中也さんや太宰さんなら、軽く事情は説明しているが。

『まあ、先生も私の能力は知っているでしょう?色んな“世界”を見てきただけですよ』

「それでこんなに精密なものを…先生とキャラが被りますねえ白石さん、これはまずい。」

『ふふ、殺せんせーには敵いませんって。それ、つける時は私もお手伝いしますから、言ってくださいね』

「それはありがたいですねぇ、ではお言葉に甘えるとしましょうか。」

『はい、じゃあ失礼します!』

本当なら、今日の放課後につけてもいいところだろうけれど、寺坂君が実行したガムテープがどう影響するか分からないし、多分するとすれば明日になるかな。

それにしても、事務所に置いていて本当によかった。
この半年間で、仕事の合間にちょこちょこ暇つぶしで作っていたアプリやソフトが、こんなところで役に立つとは。

谷崎さんは多分気付いてないし、セーフだよね。

よそから持ってきた技術や知識を、むやみに広めるのは危険な事だから。





教室に戻れば、皆揃い始めていたようで、ガムテープで巻かれた固定砲台に苦笑いを向けていた。

しかし、やはり誰も解こうとはしない。

『よかったじゃん寺坂君、皆反対してないみたいで』

「戻ってきたのか。」

私に気付いた子から口々に挨拶がされ、私もそれに返していった。


「反対してないみたいでって、もしかして白石が寺坂に入れ知恵したの?」

『ううん、私学校に着くの早いから、先にこれ見て寺坂君と話しただけ。』

「そうなんだ。…まあ、可哀想だとは思うけど、授業の妨害されるのはちょっとな」

菅谷君と村松君がそう言えば、皆同じような表情で朝からぐったりした様子だった。

『皆朝から元気ないねえ』

「そう言う蝶ちゃんは朝から元気そうだね?髪型もちょっと違うし」

そこまで言ったカエデちゃんにガバッと振り向いた。

『こ、こここれは私がしたんじゃなくてね!?』

「あ、中原さんか」
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