第20章 家族というもの
「強さって…ポートマフィアがか?」
「は、はい!」
「いいのかい?客観的な意見を言っても」
「なんで一々聞くんだよ?構わねえぜ、恥ずかしがるような組織じゃねえ自信はあるしな」
ふふ、とどこか嬉しそうな中也を横目に、私も少し笑みをこぼした。
太宰さんと織田作の抜けた穴は大きかったけれど、けどそれからの収穫もあるにはあったようだし…今なんか、こんな幹部さんがいるくらいだし。
「下手なこと話してこの場でお陀仏にゃあなりたくないからな……規模はまあ、国内でもこんなにでかい組織はそうそうねえぞ。そしてそれに比例してやはり強い、幹部様にもなると異常なくらいに…何せ異能力者を一手に相手取るような組織だ、それもあの横浜で」
「!!…い、異能力者相手…?」
中也の方に視線が集まり、それに気付いて中也が説明を続ける。
「横浜なんか海外からも国内からも多く集まるからな、その輩が……手前らもそれは知ってんだろ?そんで、そんな連中に好き勝手されてちゃ秩序も何もなくなっちまう訳だが…それを代表的に守ってんのが、まず蝶が今所属している武装探偵社だ」
「あ、そっか。寧ろそのために動いてるような機関だもんね探偵社って!」
『日が出てる間はね』
私の一声に一斉に静まる皆。
確かに夜にも活動はあると言えばあるのだが。
『探偵社がおさめてる部分は、どちらかというと表立った案件が多いの…けど、なんでもありの異能力者とか、悪い思想の人が集まる組織とかになると、場合によってはこっちじゃ叩けない案件が出てきたりするし。何より量が多いのよね』
「量が多いって…いや、確かに横浜って国内外から異能力者が集まるようなとこだけど……そんなに?」
「じゃなきゃ探偵社が毎日仕事する必要ねえだろ」
こういう時だけ頭を撫でてくる中也から少しだけ離れた。
撫で終わってから。
『で、まあ所謂グレーゾーンの処理が探偵社なんだけど…完全に真っ黒のブラックなお仕事は、ポートマフィアがこなしてくれてて、それでやっとあの街の均衡が保たれてるって感じ』
「たまーに外国からおっきい組織が攻めてきちゃったりして、前なんて相手がおっきすぎて手まで組んじゃったわけだしね♪」
『そんな事もあっ……た…っ?…ふえッ!!?な、なんでここにいるのトウェインさん!!?』
本日初めての声に振り向くと、そこにいたのは組合メンバー。