第20章 家族というもの
「師匠っつったら、体術くらいならそうだが?」
「銃の腕もすごいみたいじゃねえか?そのスカートにえらいいいもん隠してんだろ?」
いい匂いがする。
聞こえたそれは多分……多分銃のことだ、深い意味は無い。
多分。
「いいもんかどうかはよく知らねえが、こいつくらい無茶するやつの要望が叶えられるくらいにはちゃんとしたもんなはずだぞ。なんせうちの銃に詳しい人に相談しながら決めたもんだからな」
『え、まってその話初耳』
「言わなくていいって頼まれてたからな、広津さんに。お前レベルで銃の腕が達者な奴見たことねえから選ぶのも慎重になったんだよ」
確かに中也は銃は使わないけれど。
それで広津さんか、確かにあの人の銃の知識は凄いもの…マイナーなところまで詳しいし。
「ちゃんとお前が好きなようにいじれただろ」
『そこまで考慮してたの中也?』
「いや、広津さんが」
『流石…』
私とガストロさんの会話の中に、スナイパーだからか興味津々でレッドアイさんまでもが加わってきた。
ホルスターから銃を抜いてテーブルに置けば、ガストロさんとレッドアイさんが揃って首を傾げる。
「あ?これは…見た事、ねえぞ?」
「無ぇだろうな、中身の構造はともかく、うちの特別班が作ったもんだから…ま、威力に射程、速射性は保証するぜ?」
『私が使っててもまだまだ不満もないしね…まあ能力使えば銃がなくても撃てるけど、使えない時とかもあるし』
「反動は少ねぇのか?二丁あるみてえだが…」
「そりゃそうだろ、うちの蝶は二丁銃扱う方が得意なんだからよ」
後から聞いた時は急いでもう片方作ったもんな、と言う中也にありがとね、と笑顔になる。
「女子中学生が二丁銃って…」
「それもらったのいつだよ嬢ちゃん?」
『六歳半くらいの時』
「「よくその弾で肩外れなかったな!!?」」
『そこはほら、自分でちょっといじりましたし、抑えて作ってくれてますし』
「「「なあ、あれ中学生の会話だよな?」」」
E組であることをいい事に話し込んでいて気が付いた。
周りに他の殺し屋さん達までもが集まっていたということに。
「そ、そういえばスモッグさん!さっきポートマフィアの幹部様様って言ってたけど…私達も聞いたことあるくらいには有名ですけど、強さ的にはどれ位の規模になるんですか??」
質問したのはカエデちゃんだった。