第20章 家族というもの
「…君、さっきの姿はいったい?」
「俺もあんな情報烏間さんから聞いてないんだが」
「格闘技に銃術どころかなんでもありかよ…つうか鷹岡の奴からも聞いてなかったぞ?お前、ヨコハマの武装探偵社の社員だったなんて」
『もういい、忘れてとっとと味わってこれ食べてって下さいお願いします』
中也に散々いいように遊ばれたのを目撃していたのは私も知るロヴロさんに、沖縄の離島で出会った殺し屋三人組、それに修学旅行でのスナイプを担当していた殺し屋さん…
「小さい頃はなかなか可愛らしかったじゃねえの、今みてえにかりかりしてなくて素直でよ?」
『な…ッ…、し、知らない!!は、早く食べて下さいねもう戻りますから!!』
「おお、照れてる照れてる」
「案外可愛らしい反応もするのだなぬ」
まだ語尾にぬって付けてるんだこの人。
じゃないよ、何言ってんのさっきから変なことばっかり、子供の頃の中也みたいな事言って。
「せっかく嬢ちゃんもいるってことで来たのによ?沖縄じゃああの後攫われてたって聞いたぞ?……ああ、違うか、攫われに行ったって」
「おっさん、手前まさかこいつのこと狙ってねえよな?」
「横浜のあのポートマフィアの幹部様様の恋人さんに手ぇ出せるほど身の丈分かってなくねえよ俺も」
『……えっ、待って、スモッグさん!?貴方なんで私とこの人がこいび……こ、交際してるって知って…!?』
「「「嬢ちゃん起きてくる前からその人駆け付けてきてどんだけ大変だったか…」」」
話を聞けば、私が気を失ってから三人やロヴロさんは来てくれていたらしく、なんなら私とも会いたかったとのことでずっとここにいてくれたらしい。
ただ、殺せんせーが中也を連れてきてから、如何にも怪しい上にやりてそうな相手が私の元へ全速力で駆け付けようとしていて、まだ面識の無かった三人が止めに入りかけたそう。
『そりゃ…いかにもこっちの人だもんね?中也』
「うっせ、そんないかにも黒い野郎にお前が懐いてんだから仕方ねえだろ」
『!……うん…この人達に迷惑かけなかった?』
「止められたから圧死させかけた」
「「「まさか異能力者だったとは…」」」
ペシ、と中也にチョップだけお見舞いしてから三人の方に頭を下げる。
「嬢ちゃんのチョップ食らって平然としてるのか兄ちゃん、やるな…」
「お前がこいつの師匠かぬ」
無視?