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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


『…あの、中也さん?』

「何だ、ちゃんと聞くけどもうちょっと待っとけ。今大事なとこ…よしっ、出来たぞ!」

『な、なんでいきなりこんなっ、いや嬉しいですけど』

朝起きて、学校へ行く支度をしていたら、突然中也さんが例のヘアゴムを片手に私を呼んだ。

「しょっちゅうやってたろうが。……四年ぶりだから出来て正直ホッとしてはいるが」

そして、もうお察しの方も多いかと思うが、私の髪を結んで下さったのだ。
中也さんの言うように、元々中也さんにいいように毎日髪を弄られていたため、珍しい事でなかったといえばそうなのだが。

『…中也さん、結局サイドアップが好きなんですか?』

中也さんは私の髪を毎度の如くサイドアップにしていた。しかし、それにしては少々違和感がある。

「いや、お前そっちの方が動きやすいんだろ?色々と。それにな、昨日みたいに下ろしてんのも勿論似合ってたが…変な虫が付きかねないからな」

あ、昨日の格好気づいてたんだ。
それにしても変な虫って…

『いやいや中也さん、髪の毛下ろしたくらいで寄り付いてくる輩とかいませんし、いたとしても一人で撃退できますって』

「とにかくだ!俺の見てねえところで何かあったらすぐ言えよ、すぐ!」

『は、はい』

なんか朝になると毎回心配性になるなこの人は。

「あ、そういや首領が今日お前と話がしたいって言ってたぞ。学校終わりで大丈夫だそうだ。能力で入ってきてくれて構わないと言っていた」

『え、首領が?…首領が、?』

思わず二回聞いた。
何故かって、私は身長が低いからとか小さい頃からの付き合いだからとかで守備範囲内って言うしあの人。

「ああ。ま、今回は頼みがあるとは言ってたが、多分大丈夫な内容だろ。……三着くらいまでは許してやれ」

『三着…中也さんが言うんなら』

「おう。」

『じゃ、行ってきますね!今日の愛妻弁当はデザート入りですので、冷蔵庫で保管してていただけると嬉しいです!』

「まじか、それは楽しみだ。気をつけて行ってこい、何かあったら連絡しろ」

『はい!』

デザート入りという事に、表にはあまり出してはいないが嬉しそうだった中也さん。
……明日からも頑張って入れよう。



扉を作って武装探偵社の事務所まで飛んだ。


『おはようございまーす…あ、今日は谷崎さんがお早いんですね』

「ああ蝶ちゃん、おはよう」
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