第19章 繋がり
『……家でもって…わざわざ……?』
「元々珈琲メーカーとジューサーはよく使ってたからな。そこにティーメーカーが入るくらいだ」
『ドリンクやけに本格的なんですね…』
他の調理器具の扱いしか見てなくて気が付かなかった。
確かに、そう言われれば並べられていた気もする。
「割と好きなんだよ、自分の好きな味に出来るし気分で変えられるし…紅茶には手ぇ出したことがなくて出す勇気もなかったが、俺がハマったしお前が好きなら問題ねえ」
『…私の為に気遣ってません?』
「使わねえよ、俺が飲みたいから買うんだ。それにお前に気遣うだけなら、市販のティーパックでも十分だろ?料理するよりはドリンク作る方が遥かに上手いと思うしな俺は」
上手いこと言いくるめられた気もするが、どうなのか真意が言葉と表情だけじゃあ読み取れそうもない。
しかし、この人は特段演技が上手い質ではないだろうし…寧ろすぐにボロを出すほうな気さえするし。
『お粥以外見てないからなんとも…』
「言うな、それは…作らないんじゃない。作ったことがろくに無くて作れるかどうか分からねえんだ」
ある意味愛情百パーセントの料理…成程。
『……甘いお粥じゃなかったら味分かんないからいいです』
「悪かったって……お前割と食いもんに関しては根に持つよな…?」
『だって砂糖粥は…』
「そんなにトラウマもんかあれ…いや、完全に不味かったけどな?俺も自分で処理しきれねえ程度には」
恐怖、砂糖粥。
誰かに悪戯するようなことでもあればやってみようか……まあ、そんな相手いないか。
「にしても…普通の食いもんで何か好物とかねえのか?せめて今後の参考にでもできるもんがあればいいんだが」
『変に甘くないご飯』
「すんませんって…!」
『……イタリアンと和食とフレンチ。あとオムライス』
「!…意外に幅広いんだな?」
和食も口に合うのか…と頭の中にインプットするように言う中也さん。
『でも煮魚とお刺身は好きだけど、焼き魚はあんまり…あと生でも青魚とか光り物はちょっと………!で、でも中也さんに出されたら食べ…ます、ちょっとくらい』
「いや、変に無理しなくていい。要するにあの魚の風味が強いのが苦手なんだろ?どうにかするさそんなところ…他は?」
『……ミョウガとか、山椒とか…カラシとか山葵』