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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


「今日はもう先に乾かすぞ」

『え、もう乾かすんですか』

ドライヤーを持って近づく中也さん。
いや、そんな姿もすっごいかっこいいんですけどね?

でも、もうちょっと落ち着いた時間に……せめてご飯食べ終わってゆっくりしてからがよかったなあ、なんて考えたり。

「そのまんまにしてて風邪ひいたら困るだろうが。」

しかし、こうやって私を心配している事を伝えられると、もうなんでも良くなってしまうというもの。

『中也さんって私の扱いすっごい上手……アタッ』

ついつい漏らしてしまった本音に、軽くチョップを頭にされた。

「お前が俺に素直なだけだろうが。んで扱いとか言ってんじゃねえよ、そんなんだから愛玩動物みたいなとかって意識に持っていかれんだろ」

『……中也さん、私、そんな事じゃ中也さんの事変態だなんて思いませんよ?さっきだって、一緒にお風呂入りますかって冗談だけであんなに拒んで…………んんんっ!!』

「ほんっとに、学習しねえな、お前は!」

首根っこを突然捕まれ、肩が上がって力が入る。

『け、貶してなっ、あっ…』

「そうかそうか、そんなに擽られてえか。俺に無防備に弱点向けてんだから、発言には気をつけた方がいいと思うぞ」

振り向かなくても、中也さんがどんな顔をしているのかが目に浮かぶ。
これあれだ、太宰さんに張り合ってる時の顔してる、多分。

『で、でも、中也さんは変態行為なんてしないでしょう!?』

一瞬首根っこを掴む手が緩まったかと思えば、首筋をなぞって手を私の頬に添えるよう移動させた中也さん。

「確かに俺はそんな事はしねえ。……が」

『ひぁっ…ん、な、何ですかいきな……り、』

そしてそのまま私の顔を上に向けさせ、彼の目と私の目を交わらせる。
その目に見つめられると動けなくなるんですよ、私。

「入ろうと思えば入れるぜ?…何なら今から一緒に入るか?」

なんて囁くこの御方。

『なっ、ななななっ、何を…っ』

顔を赤くしてパニックになっていると、先程までの態度とは一変してぷっ、と吹き出して笑う中也さん。

「ははっ、ほら、恥ずかしいんだろお前。背伸びして恥ずかしい事言わなくていいんだよ、俺はお前の嫌がる事はしねえから」

『……中也さん、なんか今日ちょっと意地悪です』

やっぱ、私の扱い上手だよ中也さん。

「これに懲りたらもう変な事口走んなよ」
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