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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


お風呂から上がって部屋着に着替え、髪の水気を拭き取りながらぼーっとする。

……やっちゃった。

中也さんにその気があるのかないのかは分からないけれど、本人が言っていたように、やりたくない事はしない人だ、あの人は。

だから、中也さんに意識が戻った時、異能を使ってでも拒まれるんじゃないかというところまで覚悟していたのに。

『優しかったなぁ…』

触れた唇も、触れ合った舌も、私を包み込む彼の手も。
全てが優しかった。

普段仕事では荒仕事の目立つ中也さんなのに、まるで壊れ物を扱うかのように、ただただ優しかった。

これは、中也さんが優しいからなの?
でも、自惚れになるかもしれないが、きっと嫌な人相手になら本当に容赦なく跳ね除けるはず。

キスをした後の中也さんの顔を思い出して少しゾクッとしたのと同時に、また胸がどきどきする。

中也さんでも、あんな顔するんだ。
大人っぽかった、色っぽかった……かっこよかった。

私の全てが見透かされたような、私は自分のものだと言ったような目をしてた。

でも、中也さんのあんな顔を私はこれまでに見た事がない。

男の人の目、してた___?

なんにせよ、さっきの事でハッキリしていたこと。
それは、中也さんが…恐らく初めて、私に“そういうこと”を求めてくれたこと。

二度、三度角度を変えて……そして極めつけの、最後のあの“ファーストキス”は、中也さんがそうしようという気になってくれなきゃありえなかった。

それでも多分、まだ勘違いされたままなのだろうけれど。


『いつか、教えてくれるんだよね』

私のことをどう思っているのか







_______私をどうしたいのか。





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