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第19章 繋がり


織田作の家まで、律儀に手を引いて連れてこられ、フカフカの座布団の上にお邪魔する。

『…織田作、私の事何歳だと思ってる?』

「可愛い可愛い幼女さん真っ盛りな六歳児じゃ『次巫山戯たらその髪引っこ抜くわよ?』…知らねえよ、ただ、年だけ見れば六歳だろ?」

まあ、中身の方はもう少し大人びてる気はするがな

中也さんと似たような言い回しをする彼に、また不思議に感じさせられた。

「けど…お前、あれだろ?実は言うほど素直に生きてこれなかっただろ、最初会った時完全に警戒していたし」

『!…素直になんか生きてたら、今頃私ここにいないわよ』

「……何回、死んできた?」

『え…』

向かいに織田作が座って、目線を合わせて私に言う。

「いや、何回殺された…お前は自分で死にたくなったというよりは、自分ではどうにも出来ないような何かに死にたいと思わされているように俺には見える」

『…何、それ……』

「自分が死にたかったら、中原に連れてこられる前にとっとと自害していただろう?…本当は何か他に思ってる事があるから、死にたいなんて思うんじゃないか?……帰りたいって、叫んでたじゃないか」

織田作の声に思考が停止する。

『………たい…よ…けど、帰れない…んだもん、仕方ないじゃない…』

「…なんで帰れないんだ?どうすれば、お前の帰りたいところに帰れるんだ」

『全、部…私が、死ねないから…』

「……親元か?両親のところにでも『!!!』…えらく、顔色が悪いが」

落ち着いてゆっくり呼吸しろ、と背中を撫でられて、少しずつまた呼吸を再開する。

「…俺が聞いてもいい話なら、聞かせてくれ。必要なら誰にも言わないし、漏らさない…墓まで持っていくつもりで聞く。……お前が泣いても怒っても、誰にも言わない」

『……そ、れなら…織田作…』

「どうした。殺してくれ以外の事なら聞いてやる」

『…“澪”って、呼んで…?……後、ね…触れてたら安心するの…と……絶対、絶対誰にも言わないで…誰かに命令されても、脅され……ッ!…、っ!?』

成長しきった、大人の人に、こんな風に抱きしめられたのはいつぶりだっただろうか。

「分かった、死んでも守ろう、その約束」

『へ…ッ?あ…え……っ?』

どこの世界ぶりだったのだろうか。

「思いつめてそうだったからな…許せ、澪」





額にキスなんてされたのは。
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