第19章 繋がり
「…えらく、人に恵まれない幼少期だったな…?」
『……知って…ッ、ま、すけど……あ、の…っ、ぅ…』
「こうしてた方が、余計な事を考えなくて済む。大丈夫だ、大切な所には触れない…お前が嫌なら、すぐにやめる」
『と、か言いながら結局ずっと変なこ「澪はえらく可愛らしいからな、恥じらってる時が」っふ、ぅ…ッ…、織田作じゃなかったら…け、り飛ばしてっ…は、ぁっ…』
話し終わったのに…なんで止めないかなこの男は。
だいたい理由に筋が通ってるのかどうかもよく分からないし、それにそんな理由でそんなにキスばっかりされてたまるか。
それも、人がされ慣れてないからって。
額だけに留まらず、頬や首にまでしておいて、大事なところはとか意味わからないし。
「…嫌じゃあなかったということでいいんだろう?」
『……ッ、だから、誰も私なんかにそんな事しな……っぁ…』
「それでも普通、もう少し嫌がってもいいと思うんだが…調子に乗って俺がここに触れたら、どうす『!!ダメ…ッ』……分かったか?大事なところ」
唇に指で触れられて、咄嗟にそこは抵抗した。
あっさりと、本当に言っていたとおりに織田作は唇から離れてくれたのだけれど…あれ、なんで今、抵抗したんだろ。
「お前、ファーストキスは?」
『へ……ッ、?…き、すとかっ、した事な……ッ!!?』
織田作が初めて驚いたような顔を見せ、それにこっちの方が驚かされた。
「…話に出てきた金髪の馬鹿は……恋仲じゃあ…?」
『な、ないわよあんなの…そういうのよく分からないし……』
「……分からないって…それだけ生きててもやはり人間関係というものは大事なんだな。どうりで無防備なわけだ」
無防備って、なんで子供の格好して警戒し続けて生きていかなきゃならないのよ織田作の家で。
『無防備も何も、連れてきたのは織田さ…ッ!?…ま、たぁ……っ、首擽ったいからって言っ「澪…俺の事は名前では呼ばないのか?」!!?な、にを…ッ』
「いいや、どうにも対等な気がしなくてな。ほら、呼んでみろ…呼べたらいい子いい子してあげるから」
『子供扱いしな…ッあぅ……っ』
「子供じゃないか、恋愛の一つくらい覚えてもっと素直に周りに甘えてからゆっくり大人になっていけ全然大人になれてないから」
『んにゃ…ッぁ…あ……わ、分かった!!分かったわよ、作之助!!!』
