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第19章 繋がり


「飲みもんなら平気か?荷物多いし少し休憩してから帰ろうかと思うんだが」

『飲み物…どんなのがあるんです……?』

「自動販売機もカフェもあるし、なんでも変わり種でフローズンの専門店とかフロート付きのもんとかもあるし」

『……ストレートの、紅茶…あれば』

そんなんでいいのか?ときょとんとされるも、それに頷くと、分かったと言って微笑まれた。

「じゃ、ここで荷物見といてくれ。買ってくる」

『え…いや、私もそれなら「いいって、俺の方が体力あるんだから」……は、い…』

甘えろ甘えろって昨日からしつこいから。
これは甘えるというよりは、甘やかされるの方に近しいような気もするのだけれど…。

大人しく、人の少し混んでいそうな所へ並んだ中也さんを待つことにした。
どこのお店も混んでいるし、その中ではまだ空いているほうか…なんて考えて中也さんの方を向くと、何を注文しようか迷っているのか、メニューを見ようと必死そう。

私の好みに合わせてお店選ばなくても良かったのに、なんて思ったりもするけれど、内心嬉しかったりして。

してもらってばかりではあるけれど、なんだかやっと生活が始まりそうな、そんな感じ。
しかし、嬉しさをかみしめて中也さんを待っているそんな時。

「お嬢さん、お家の方は?一人かい?」

『え?お家のか____…ッ、?』

誰か…恐らく、どちらかというと若めの男の人。
好青年そうな声に思わず反応してしまったものの、言い切る間も無く口元を手で覆われた。

それと同時に何かの液体を口に入れられて、離してもらえずにそのままそれを少し飲んでしまう。

すると一瞬で身体がなんだか怠くなって、頭もぼうっとして働かなくなってくる。

「……全部飲めよ。いい子は全部、飲めるだろう?…なあ」

『…ッ、ん…ぁ…』

唇に指を当てて横に引っ張られ、飲んでいなかった液体が外につう、と漏れる。

それを見た瞬間にかは分からないけれど、目の前の人物の顔も見えなかったが、雰囲気が一変したのが分かった気がした。

激情するスイッチだ…私に躊躇いなく手を上げることが出来るようになるスイッチだ。

考えるよりも先に体が動いて、零してしまいはしたけれども、結局は全て飲みきった。

多分毒ではない…死にはしないようなもの、だけれど…

『…、やさ……っ…?』

「とっとと連れてくぞ、“代用品”だ」
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