第19章 繋がり
織田作からの荷物の中身は見事に子育て用の参考資料や便利グッズなどばかりが揃えられていて、その中にいくつか入っていた、如何にも女の子が着るようなふわふわとした可愛らしい洋服が目に入る。
…それにしてはやけにフリルやリボンが多いような気さえするのだけれど。
『……これ、織田作の…?』
「…いや、多分森さんの趣味だ。これは間違いなくあの人の趣味だ」
こういう事か、森さんの趣味って。
中也さんが引いたような目をしていたわけがわかった気がする。
「ま、まあ今回買い物に行くための服は…な?…着てみ『中也さんのシャツがいいです』即答してやるな、気持ちは分かるが……いや、けどこれお前多分似合『着るくらいなら買い物行きません』…」
とは言っても、中也さんも最近のサイズのものしか持ってはいないはず。
尾崎さんに拾われたのが最近であるということは、何らかの事情で今までの生活から離れざるを得なくなったということだから。
私の体は食事や運動をしていないだけあって他の人よりも細いのは確かだし、中也さんのズボンは流石に大きすぎる。
かと言って着物でショッピングに行くというのも、まあ控えた方がいい話ではあるだろう。
なにぶん、目立つ。
「蝶…けど、これを着ねえとこれ以外の服の選択肢を得られなくなるぞ?今日だけ我慢すれば、あとはお前の好みの格好をすればいい…」
『……こんなにひらひらしてるの…り、リボンだらけなの…』
「…………シャツ五枚」
『!…釣られませんよ?』
「…クロスタイと上着でいかがでしょうかお嬢さ『着ます』やっと買い物に行ける…!」
プライドを捨てるのよ、私。
中也さんのシャツにとどまらず、タイと上着までいただけるのだから。
「そうと決まれば早速着替え……!?まてまて!!俺今ここにいるだろ!?な!!?」
『?子供ですよ私?』
「相手がもし俺じゃなくて、変な目で見てくるような奴だったらどうするんだよ!?餓鬼相手にしたっていやらしい目で見て襲おうとする奴らなんか、この世の中五万と『…から』…え?」
『慣れてますから、“そういう”目。…中也さんなら…そんな目で私の事見ないでしょう…?』
「い、や…お前………慣れてる…って…」
『……世の中、思ってもみないところからそんな目で見られたりしますから。…なんなら昨日みたいに着替えさせてもらッ…?』
