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第19章 繋がり


『だ、いじょ…ぶ、です』

「あいつら…相手、には…何を?」

『………酸欠にさせて、今は窒息状態に。上のフロアにいた人達も…殺しては、ない…です』

「……よかった、お前が無事で…けど、無茶な事すんなよ…なんでこんな所に来た?姐さんは何してたんだ…?」

声を震わせて私を見ながら言う中也さんは、何を思ってそんな事を言っているのだろうか…これも、心配だろうか。

『尾崎さんは別の場所に多分加勢に…執務室にいたら、ドアが爆破されて敵が乗り込んできたから………上に人もいなかったし、何とかしないとって』

「…自分の為でもねえのになんでそんな……」

『?……私は…中也さんの、味方……だから…?』

言ったら目を丸くされ、少ししたらそれを大きく見開かれた。

私なんかが、この人の家族に相応しいとは思えない。
だけど…それでもせめて、この人の為になることを。

「おま…そ、んな事で体張って…!?」

『大事な事…です』

一筋汗を垂らした中也さんはそれ以上何も言ってこなくて、そんなところに、今度は知ってる人が駆け付けた。

「中原君!!こっちは紅葉君がやってくれたから応援に…来たの、だけど……?」

「…森、先生……」

「……これは…!蝶ちゃん…?」

蝶と呼ばれてもまだしっくりこないのだけれど、それでも森さんが私の名前を呼んでいるのなんてなんだか新鮮な感じがした。

そちらに顔を向けると、中也さんが今度は説明をする。

「……このフロアから上…全員、蝶が片付けてしまいました。…恐らく俺がここに駆け付けたのとほぼ同時か、それより少し遅れて合流したのかと」

俺が異能を使うまでもなかったです

中也さんの言葉に今度は森さんが動揺する。

「中原君が出る幕なしって…!どこか怪我は!?」

『…私、すぐに治「いいから言いなさい!!」……無傷です、能力使ったんで』

「無傷…っ、良かった…」

安心しきったように言ったのは、森さんではなく中也さんだった。

「安全な場所にいてくれて良かったのに…っ?…おい、指先冷てぇぞお前」

『…少し、疲れ……っ?』

安心感からか少し血液を消費したからか、中也さんの方に向かってぐらりと倒れ込んだ。

「!?蝶ッ…?疲れたって……お前、なんでそんな顔色悪ぃんだよ…?」

原因は恐らくただの貧血。
栄養とか、必要最低限しか摂ってなかったからなぁ。
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