第19章 繋がり
「餓鬼…!?いつの間に……っ!それは俺の…!?」
無駄口を叩いている内に、相手の身体を奪った銃で撃つ。
それに相手が蹲ったらまた同じように気絶させ、十数人いたはずの敵は呆気なく全員静かに眠ってくれた。
それらを集めて、出来るだけ面積の小さい壁に閉じ込める。
「き、みは…!?」
「侵入者……か…?……敵か味方かどっちなんだ…!?」
それから、まあ予想通りではあったのだけれど、気づいた時には黒服の人達に銃を構えられていた。
そりゃあそうか、私は別にこの組織の一員でもなんでもないのだから。
『…中也さんの味方。それだけ……ここでその人守っててください、防御壁だけ張っていきます』
「え?中也さんって…!中原君!?」
「中原さんの!?…な、何だ?」
動揺する人達を置いてとっととその部屋を出て行った。
大勢の大人に武器を向けられるのはやはり苦手だ。
フロアを移動しようと階段に差し掛かったところで、また敵と遭遇したため、閉じ込めたついでにこのフロアに敵が侵入しないよう、また防御壁を張った。
多分、あのおじいさんはこれで大丈夫なはずだから。
階段の手すりに掴まって、やはりふらつく身体を動かして下へとまた降りていく。
頭痛…程度ならまだいけるか……?
考えていた時だった。
今何階に自分がいるのかは分からなかったけれど、戦いが激化している場所に遭遇した。
やけに相手の数が多い上、爆弾を使ったのか火の手が回りかけている。
数と武力で押し切ってきたのか…。
リーダーらしい人物が指揮を執っているのを見ると、相手もまあバカではないらしい、恐らく先ほどから上で見かけていた敵は、戦力の分散を図ったもの。
しかしこちら側はそこまでそちらを気には止めていなかったようにも見える……こっちには、何やらかなりいい指揮官がいるらしい。
「てめえもポートマフィアの人間かあ!!?」
『!こっち来ないで…っ』
奪ったままの銃でまた相手を打ち、人が多いため閉じ込めはせずに戦闘不能にだけしておいた。
こういう相手は、頭を落とせばすぐに崩れる。
だから、奥の奥に潜んでいる相手へと駆け出していた。
しかしその矢先に、見つけてしまったのだ。
中也さんが戦っているのを。
朝から私といたせいで…出勤予定ではなかったせいで、今丸腰なはずである彼のことを。