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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


『あ、よかった…中也さん暖かくなった』

顔色も大分回復してきたのが確認出来て、笑顔になる。

それでもごめんと謝罪を続ける彼は、本当に私の気持ちに気がついていないのだろう。

チクリと胸が傷んだ。
状況が状況だったからかもしれないけど、私からキスをしても、中也さんには伝わらないのか。

ゆっくりいけっていう事なのかな…

「蝶…俺は、どう責任をとればいい」

『責任だなんて言わないでください。寧ろ私は勝手に中也さんの唇を奪ったんですから、怒られたっていいはずなんですよ?』

「俺が、そんな事でお前に怒るかよっ…」

『なら、泣かないでください。私、最初が中也さんになるんならと思って、中也さんにしたんですから』

「!…………泣いてなんかねえよ、っク、…」

中也さんから腕を回され、ソファの前で座り込んで、中也さんの頭をよしよしと撫でる。
私にしてくれるみたいに、優しく…安心して、大丈夫だよって。

『でも、そこまで私の事を考えてもらえるのも、すっごく嬉しいです。…一つだけ心残りがあるとすれば、ファーストは意識のある中也さんからしてもらうのが良かったなっていうくらいですから』

本音を漏らせば、ピタリと中也さんが静かになった。

「そんなに、俺がいいのか。俺みたいな奴がいいのか、お前は」

これは、どういう意味で聞かれているのだろうか。

『私は、中也さんのものですから。何をするのも、されるのも、中也さんがいいんです』

「………さっきの、取り消してくれ。言ってみれば人命救助の為というか、“処置”なんだろ?」

処置……確かにそうだ。
だけど私は、そう易々と誰かに口付けをしたりなんてしない。

『そ、ですね…でも、中也さんじゃなかったらしてなっ……んっ、…』

言いかけて、唇を塞がれた。
今度は、触れて、啄むだけの軽いもの。

しかし、慈しむように長く長く、私を捕まえて離さない。

『____ふ、っ……はっ、ぁ…………ちゅ、中也さん、何で…っ』

「お前の最初は、俺がもらった。お前が俺から奪ったんじゃねえ。俺がお前から盗ったんだ…分かったな」


目を見て話す中也さんに、嬉しさが込み上げてたまらない。

罪悪感からなんですか?それとも他に意図してるものがあるんですか?


どちらにせよ、私のはじめてが、中也さんにとってもらえて嬉しかった。

『……はい』
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