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第19章 繋がり


不良高校生三人組ははしゃぎにはしゃいだ挙句、うちのメニューを食べてからのイリーナ先生のハニートラップによって、ATM目掛けて一目散に山を下っていってしまった。

『なんだったんだろあの人達…意外と子供?』

「お前も子供だろ…」

『一緒にしないでよ、私あんなに分かりやすくな「えっ、中原さん!?」中也!!?』

岡島君の声に反応して、目が自然と輝いてそちらをバッと振り返った。
嘘、休暇明けたからそんなに簡単にお仕事抜けれるはずないのに来てくれたの…?

『岡島君、中也いたの!?それか来るって言ってた!!?』

姿の見当たらない中也の居場所を突き止めるべく、声を発した張本人に目を向ける。

「あーあ、どうすんの岡島?こんなに白石喜ばせて」

「え、いや、だってこういうのは事前に白石が一番本人から聞かされてるかと…し、白石?」

『どこ!?』

「「…」」

前原君と岡島君、そして千葉君が三人で集まってひそひそと何かを小声で話し込み始めた。

その様子を見て察する。
ああ、なんだ、騙されたのか。

私だってそんなに餓鬼じゃない、そんな反応を見たら分かる。

『……いいよ、嘘なら嘘で。怒ってないから』

「!!お、おおおおい岡島!あれ完全に落ち込んでるって!!」

『落ち込んでないし、中也がお仕事あるの知ってるし』

「し、白石…岡島が悪かった、本当に。俺たち誰もあの人の予定とかは知らされてな『だからもういいって。ふざけただけなんでしょ?』…分かりやすいな!?」

『私のどこが分かりやすいのよ、気にしてないからとっとと仕事に…』

「「「指!!切ってる!!!」」」

三人に同時に指摘され、無意識に調理を始めて包丁を使っていた手元に目をやった。
紅色を目に入れたと同時に指先に酷く鋭い痛みが走って、思わず包丁をまな板に落とした。

拙い、これはまだカルマ達にしか見せてないのに。

急いで痛みを堪えながらも包丁を持っていた方の手で指を抑えると、三人とも大慌てで救急箱を持って駆けつける。

「指見せろ白石!!手当するから!!」

『!い、いい!!自分で「片手負傷してんだろうが!?」慣れてるから!!お願いだから離し…っ、前原君!!?』

私の事情を知っているはずの前原君が、何故か消毒の準備をしていて止めてくれそうにない。
動揺している内に、私の手は千葉君にはがされてしまった。
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