第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
「あ、カルマだけずりい!」
『だ、だってカルマ君ならそんなに私の事気にしないだろうからっ……それに身長高いし隠れれそうだったし』
「ねえ、絶対それが本音だよね?」
まったくもってその通りです。
だけど、カルマ君なら皆みたいに私を見ないでしょう?
きっと隠してくれるでしょう?
「はぁ…ほら皆、そろそろ時間無くなるし席戻ろうよ。じゃないと蝶ちゃん恥ずかしがって、可愛い姿見せてくれなくなっちゃうよ」
カルマ君が言った途端に皆席に戻っていく。
え、何、今何が起こったの。
ていうか可愛い姿とかホントないから、恥ずかしいのはそうなんだけどさ。
『か、カルマ君、そのっ』
「はいはい、分かってる分かってる。この後俺と話するんでしょ?その時に俺だけたっぷりその格好拝ませてもらうから、早く席戻るよ」
『なっ、拝!!?』
次からは潮田君か磯貝君、千葉君あたりに隠れさせてもらおう。
きっとその方が賢明な判断だ。
HRという名の私の着せ替え大会が終わったものの、まだ殺せんせーは帰ってこない。
そのため、烏間先生の挨拶で今日は皆解散となった。
今日は皆お疲れなのか、すぐに帰る支度をして帰ってしまい、カルマ君に話が出来る環境が整った。
しかし、教室で話すわけにもいかないので、山を降りながら話す事にする。
「で?中也さんと何があったの?」
直球だなぁ…でも私が一番相談できるのは、紛れもなく彼だから。
『昨日、帰ってからね?探偵社の方に寄ってから中也さんのところに戻ったの。それで、いつものノリで抱きついてってしたんだけど』
いつものノリでと言うとカルマ君は察してくれたらしく、ああ、と何かを想像したようだ。
『かっこいい中也さんの顔をずっと見てたら、いきなり中也さんの様子がおかしくなって……おでこに、だけど、その…』
「キスでもされちゃったの?」
さらっと言い当ててしまう彼。
『な、何で分かるの!!?…あ。』
「ぷっ、ホント分かりやすいね蝶ちゃんは。で、それで困惑しちゃってるってところ?」
『う、うん、その通りです』
どういう意味のものだったのか。
そこが気になって仕方が無い、今日のを合わせるともう二回になるし、夢なんかじゃなかったんだから。
「そっかぁ…それなら、本人に直接聞けばいいじゃん」
彼が言った途端に、私は固まった。
