第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
そう言えば何故か後ろを振り返る男子諸君。
なになに君達、何の相談始めちゃってんの。
「どうよあんた達!まずは校舎にあった制服のストックの中でも、サイズの一番大きなブレザーとカッターシャツで萌え袖を作り出し、華奢な体を敢えて隠すことで男心を擽る!これを見て護りたいと思わない男はいない!!」
不破さんを皮切りにして女性陣の熱弁が始まった。
全てさっき、文字通り私を使いながら教えられたものだ。
それを聞いて、再び私に視線が集まる。
いやいやいや、そのまま後ろ向いててくれてよかったんだけど。
「そして身体の細さ…つまりは女の子らしさを魅せるため、スカートはそのままぴったりのサイズのものを。流石に蝶ちゃんが気を使ってなさすぎたので、十センチ程上に上げました!」
まさか世の女子学生達は、スカートを短くしているだなんて思ってもみなかった。
私からしてみればとても恥ずかしいしすーすーするため、余り戦闘向きでないから短くしようだなんて発想もなかったくらいだ。
「仕上げは、いつもと違って大人っぽくもあどけなさを感じさせるハーフアップ!蝶ちゃんは髪がもとからふわふわだったため、アイロン無しでこのような仕上がりになってます!」
「まあ後は、ちょっとネクタイ緩めてカッターシャツのボタン外して、裾出したくらいよね。ベストをセーターに変えもしたけど、これであの男だって蝶に危機感を持つはず…!」
そう、胸元もだ。
ここに関しては、下着の付け方からレクチャーするとか言い始めて、本当にイリーナ先生に弄られた。
お陰様で相当恥ずかしい思いをしたのにも関わらず、胸が強調されるように制服を着付けられてしまったため、流石にお願いして胸の強調はさり気ない程度に抑えてもらったのだが。
男子諸君の方をちらりと見てみれば、私と顔を合わせず、女の子達とイリーナ先生に向かって親指を上に立てていた。
グッジョブじゃないよ!
これ恥ずかしいの私だけじゃん!!
『も、やだぁ…着替えていい?こんな格好じゃ帰れな…』
「何言ってんのよ、その格好で甘えついてやりなさい。それがあんたの誘惑方法なんだから」
『そんなぁ……じゃあせめて、皆あんまりこっち見ないで?』
そう言うと余計に視線が向いた。
『うっ…何がそんなにいいのやら』
「え、何でここに隠れんの」
とりあえず身長の高いカルマ君の背中に隠れた。
