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第18章 縁の時間


驚いた、仕事で女の人と会うって時にこの人がこんな笑顔を浮かべるはずがなかったから。
いいや、それはただの言い訳だ。

さっき、私はなんと言った…?

「味方じゃない人としか、お仕事では会わないんでしょう?」

『……なんでソラさんと…?これ、いつ撮ったんですか…』

「勿論先程…撮りたてほやほやですよ」

『…授業始まるのにいいんですか?生徒に私情でサボらせたりなんかして』

「白石さんはもっともっと中学生らしく生意気になるべきです、それに今日は元々文化祭前の全校集会に、結局E組だけホームルームになってしまう学年集会くらいですし…それに実を言うと、先生江戸川さんに呼ばれてまして」

殺せんせーの言葉に目を丸くする。
他の子達は乱歩さんの事まで知っている子がほとんどいないせいか首を傾げるだけだった。

『……聞いてないです、そんな話』

「恐らく私的なお話かと…美味しいお菓子の話かもですしね」

『…行きますよ殺せんせー』

扉を作ってすぐさま開き、中に入るとそこは探偵社の事務室の扉の目の前。
殺せんせーの触手を引いて無理矢理中に入らせる。

「白石さん!!?ほ、本当に行くの!!?」

『………知らない』

「…中原さんがろくでもないことしてたらいつでも言ってよね!クラス皆許さないから!!」

『へ…?……う、ん…行ってきます』

何故だか興奮気味なカエデちゃんに少し背中を押されたような気がして、そのまま扉を閉めた。
そして扉を消したと同時にガチャリと開く探偵社の扉。

「やあやあ殺せんせー、来てくれる頃だと思ったよ!あ、蝶ちゃんは早く素敵帽子君の所に行った方がいいよ。また目的地を変えるだろうからさ」

『!今はまだこの雑貨屋さんに?』

「うん、恐らくね。建物が分かっている状態の方が観察しやすいんじゃないかい?」

『……ありがとうございます乱歩さん。行ってき「ああ、それと監視は少し警戒しながら行った方がいいよ。特に後ろに」後ろ…?は、はあ…』

乱歩さんの含みのある言い方に首を傾げつつ、頭の隅にでも留めておこうとまた扉を作る。

別に疑ってるわけじゃないし、今更とやかく言うつもりは無い。
だけど、あの人は今日は仕事って言ったんだ。
私にわざわざ、嘘なんて吐く必要は無いんだ。

……何か疚しいことでもあるの?
なんでよりにもよって、相手はあのソラさんなの…?
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