第18章 縁の時間
「って、そういえば中原さん今日は来てないの?」
『……うん、本当は明日までお休みだったんだけど、いきなり人に会わなくちゃならなくなっちゃったらしくて』
「人って…も、もしかして女!!?」
「馬鹿、中原さんに限ってんな事ある訳が『可能性はある…ていうか多分今日はそう。そういうお仕事だから、ポートマフィアって』え…は!!?」
あくまで可能性の話だ。
それに女性相手の交渉事だとしても、中也がそういう行為に及ぶような事はしないはず。
『大丈夫だよ、危険な仕事でもいかがわしい仕事でも無いから。気にしなくても夜…が忙しくても朝には一旦戻ってくるだろうし』
「で、でも普通そういうのって嫌に思わない…?別の女の人と一緒に……二人でいるかもしれないんだよ?」
『嫌じゃないよ。だってあの人が仕事で女の人と二人になるなんて、相手が味方じゃない時しか有り得ないから』
それにお仕事に口出しなんか、それこそ本当にただの子供じゃない。
またここで一つ皆との違いをひしひしと感じた気がした。
「ふむ……白石さん、中原さんが女性と密会するようなお仕事とは、どのような内容のものが?」
『!殺せんせー?…いや、だいたいが情報収集とか、相手が能力者の場合の暗殺だったり…暗殺任務はあの人の役職的にここ最近は少ないですが』
ていうか、いつからいたのこの人(?)は。
突然目の前に現れた殺せんせーはそのままニヤ、と口角を上げ、触手を広げてでは!と口を開く。
「現場調査に向かってみましょう白石さん!中原さんを尾行するのです!!」
『え、尾行するんで……!!?ちょっ、何言ってるんですか殺せんせー!!?』
「中原さんは先生に向かって烏間先生と同じような目を向けてきますからね、煩悩タコだのエロタコ教師だの…今に暴いてやるんですよ!!中原さんの本性を…!!」
「「「あの人もうこの子にベタ惚れだから無理だろ…」」」
『……尾行するんなら一人でどうぞ。私中也のお仕事邪魔したくないですし…基本的に仕事とプライベートは分けて考えてるんで』
やれやれと知らないふりをするも、何故だかいいんですかね?とニヤついた声の殺せんせー。
それに仕方なく応答すれば、見せられたのは三枚の写真。
お洒落な喫茶店に入る姿、その中で楽しそうにお茶をする姿…そして雑貨屋さんのようなら場所に入る姿がそこにはあった。