第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
「まあ、愛玩動物かなにかって言われてきたって…それってつまり、向こうにもあんたのことを甘やかしてる自覚があるってことなんじゃないの?」
すぐに話題が戻されて少々戸惑ったが、それよりもイリーナ先生の言う事が気になった。
「そうだね、修学旅行で蝶ちゃん連れて帰ってきた時もそんな様子だったし」
『ちょっと待ってなにそれ、私知らない』
カルマ君だって中也さんが連れて帰ってきてくれたって事しか教えてくれなかったじゃん。
次第に話し始めてくれる女の子達。
「え、それ言ってもいいのかな…あのね、私達に蝶ちゃんを暫く一人にさせてやってくれって説明してから、私達皆気になって中原さんの事観察してたの」
『観察!?…かっこよかったでしょ』
なんて羨ましい、私もそこに参加したかった。
「ええ、うん!?じゃなくてね!蝶ちゃんの部屋の前でうろうろしてたかと思ったら、いきなり私達の方にまた話しかけてきたの。女性物の服が売ってる店が近くにないかとか、最近蝶ちゃんが何か欲しがってたものがなかったかとか」
『そんな事、聞いてたの?私聞いてない』
「そりゃ自分からは話せないだろ、男心ってものだよ多分」
頼れる爽やかクラス委員の磯貝君が眩しい笑顔を浮かべて説明する。
な、何この顔立ちからだけでなくオーラまでもが輝いているイケメンオーラは。
まあ私は中也さん一筋だけど。
『男心かあ…』
「うんうん、だから、蝶ちゃんは今中原さんが一番欲しいみたいですよって言っといたよ」
『ゲホッ!!ゲホッ、…な、なんて事を!?そんな事言ったの、ねえ!?』
思わず噎せ返った。
なんて恥ずかしい事を言ってくれたんだこの子達は。
もしかしてそれでいきなり部屋から現れたのかな、中也さん。
「でも、結局それが一番よかったんでしょう?甘甘だね、中原さんも蝶ちゃんも」
「けっ、イチャついてくれやがるぜ。」
『甘甘…イチャついてっ!?……残念だけど、中也さんは私の事そんな風には見てないよ』
思い返せば思い返すほど、私の気持ちなんてこれっぽっちも届いていないという事がよく分かる。
「ふぅん?……まあ、まずは蝶の方にも問題があるわね。ああいう鈍感なやつには、一発誘惑しといて女の魅力ってのを魅せなきゃ意識してもらえないのよ。なのにあんたときたら、変なところですぐ恥ずかしがる」
『う゛っ』
ご最もです